日産・西川社長、16日付で辞任 報酬問題を取締役会議論 後任は10月末までに決定
日産自動車は9日、取締役会を開き、西川(さいかわ)広人社長兼最高経営責任者(CEO)らが不当にかさ上げされた報酬を受け取っていた問題などについて議論した。報酬問題の発覚後、社内では西川氏の辞任を求める声も上がり、同氏も辞任の意向を周辺に伝えていた。終了後、日産の社外取締役は記者会見で、西川氏が社長、CEOを9月16日付で退任し、後任を指名委員会で10月末までに決めると発表した。当面は山内康裕・最高執行責任者(COO)が代行する。
西川氏は9日朝、記者団に「次の世代にバトンタッチをできるだけ早くしたい」と述べる一方、具体的なトップ交代の時期については言及しなかった。
同日の取締役会では、西川氏らの報酬問題に関する社内調査結果が報告された。問題となったのは「ストック・アプリシエーション権(SAR)」と呼ばれる株価連動型の報酬制度。自社の株価があらかじめ決められた水準を超えた時に権利を行使すると差額を受け取れる仕組みだ。
報酬問題を巡っては、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴された前代表取締役のグレッグ・ケリー被告が月刊文芸春秋のインタビューで、西川氏が日産副社長だった2013年5月に報酬を受け取る際、行使日を1週間ずらして約4700万円多く利益を得たと主張していた。
西川氏は今月5日、記者団の取材に対し、「(SARの)運用は事務局に一任していた」と述べ、意図的に上乗せを求めていないと強調。社内調査についても「自分では分からなかったから、私から(実施するよう)要請した」と語り、自身の関与を否定。他の役員で同じ問題が見つかっているとも明かしていた。
一方、西川氏の後継者選定を巡っては、日産の指名委員会が今年7月から議論に着手。同委では大株主の仏ルノーのジャンドミニク・スナール会長もメンバーを務める。関係者によると、候補者には社外人材も含めて複数の名前が挙がっているとみられる。9月9日の指名委では、西川氏の後任選びを急ぐ方針を確認したとみられる。
一言コメント
後任の社長も大変そうだ。
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