伝説V見逃すな!星稜・奥川、“自責点ゼロ優勝投手”へ「集大成を表現できれば」/甲子園
- スポーツ
- 2019年8月22日
第101回全国高校野球選手権大会は22日に決勝が行われ、星稜(石川)と履正社(大阪)がともに初優勝を懸けて対戦。令和最初の甲子園大会の王者が決まる。北陸勢初の頂点を狙う星稜は、今大会から設定された決勝前日の休養日となった21日、大阪・豊中市内で調整。最速154キロを投げるプロ注目の右腕で、今大会自責点0を継続する奥川恭伸投手(3年)も臨戦態勢を整えた。
天下分け目の一戦を前にした練習でも、笑顔が目立った。奥川は投球練習は行わず、軽めのキャッチボールなどで最終調整。穏やかな口調で、心境を明かした。
「休養日はすごく大きい。万全ではないですけど、投げられる状態で試合には臨める。2年半の集大成を表現できればいいかなと思います」
履正社とは今春の選抜1回戦で3安打完封。17三振を奪った。6月の練習試合でも6回4安打1失点、9奪三振。ただ、このときは球種を絞る攻めにあい、2巡目から対応され始めた。その経験が選抜の印象を上書きし「自分の持っている全てを出さないと抑えられる相手ではない」とした。
星稜は甲子園で数々の名勝負を繰り広げてきた。箕島(和歌山)との延長十八回に及ぶ試合や、明徳義塾(高知)戦での松井秀喜への5打席連続敬遠。だが最高は1995年夏の準優勝で、頂点には届いていない。
全国制覇は石川県勢、北陸勢にとっても悲願。学校からは中・高合わせて1500人超の有志の生徒が甲子園に駆けつける予定。JR金沢駅近くの「NHK金沢放送局ハートプラザ」では、220インチの大型モニターを利用したパブリックビューイングも実施される。
前日20日には宿舎でサプライズがあった。大阪市内の「アパホテル」での夕食に同ホテルの元谷芙美子社長(72)が登場。同ホテルは石川県が発祥の地で、同社長は同じ北陸の福井県出身。奥川も「びっくりしました」と話すように、ナインは大興奮だ。特製カレー60食分の差し入れと、「私の全ての強運をみなさんにささげます」との激励を受けた。
そんな期待を一身に背負うのが、ここまで自責点0で投げ抜いてきた背番号1。起用について林和成監督(44)は、状態の確認をして決めるとしながらも「私としては思いは決まっていますし、本人もそういう思いでいるのは間違いない」と断言。先発は確実で、「高校球児・奥川恭伸」が甲子園で演じるラストショーの幕が開く。
「たくさん応援していただいているので、最後アルプスに行くときは勝っても負けても泣いているのではないかな、と」
奥川は石川大会準決勝と決勝、今大会3回戦の後とすでに3度泣いた。星稜の合言葉は「必笑」だが、奥川にとって涙は完全燃焼の証。勝って歓喜の涙を流す。
一言コメント
全力を出し切ってもらいたい。
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