【湘南】パワハラ疑惑の曹貴裁監督が辞意 Jが全選手、スタッフに近く徹底聴取
- スポーツ
- 2019年8月14日
サッカーJ1湘南の曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(50)にパワーハラスメント(パワハラ)疑惑が浮上している問題で、同監督が辞任の意向を周囲に伝えたことが13日、複数の関係者の話で分かった。自身の責任は重いとして、リーグの調査結果を待たず進退の意思を固めた形。クラブ側は慰留するとみられる。また、Jリーグは湘南の全選手・スタッフ約50人に近くヒアリング調査を行うことがJリーグ関係者の話で判明。クラブはこの日、調査終了まで同監督が指導を控えると発表した。
曹監督が辞任の意向を周囲に漏らしていることが判明した。クラブ側は同監督の進退について、Jリーグの調査結果が出てから判断を下す方針だが、同監督は調査開始を待たずして辞意を固めた。今季で就任から8年目となる同監督はこれまでも退任を示唆しながら契約を延長したことがあったが、今回の件については責任を重く受け止めているようだ。クラブ側は慰留するとみられる。
Jリーグは曹監督によるパワハラ疑惑の徹底解明に打って出る。調査を行うJリーグ関係者によると、同監督やクラブ幹部だけでなく、クラブに所属する全36選手と現場スタッフの総勢50人ほどがヒアリング対象で、異例の大規模調査が行われるという。
進捗(しんちょく)状況を見極めながら調査対象者を増減し、複数回に分けて慎重に調査を進める。聞き取りは弁護士によって行われる見通しだという。
Jリーグ側には被害を訴える関係者やその目撃者から、複数の証言が届いているとみられる。リーグ側はそれらをもとにヒアリング調査を行い、必要に応じて過去に所属していた選手やスタッフにも現在の所属先の協力を得ながら、調査の範囲を広げていく。
リーグ2連勝中で11位のクラブはこの日、調査結果が出るまで曹監督が指導・指揮を控えると発表した。Jリーグによる調査が終了するまでは、高橋健二コーチ(49)が暫定的に指揮を執り、次戦のJ1第23節鳥栖戦(17日・BMWス)でも采配を振る見通しとなっている。
スポーツ報知の取材によると、2018年2月から今年7月まで、少なくとも3人の選手と2人のスタッフが同監督からの高圧的な態度や罵倒行為から生じた精神的苦痛とみられる症状でチームを退団していたことが判明している。クラブ側の広報責任者は11日の段階で取材に対して「クラブ内で問題にしているようなことは全くありません」と話したが、12日にはクラブの公式ホームページで「Jリーグと協議の上で、事実関係の調査を速やかに行う」と発表している。
◆騒動の経過と今後
▼2018年2月~2019年7月 少なくとも選手3人と2人のスタッフが精神的苦痛により退団。
▼19年4~7月頃 Jリーグに対し、パワハラ行為を訴える複数の相談が匿名で寄せられる。
▼8月上旬 Jリーグから湘南に対し、ヒアリング調査を行う旨の連絡。
▼12日 Jリーグが調査に乗り出すことが明らかに。クラブ側は調査に協力する姿勢を表明。
▼13日 クラブは曹監督が指導・指揮を控えると発表。
▼17日 J1第23節鳥栖戦(BMWス)。
◆曹 貴裁(チョウ・キジェ)1969年1月16日、京都府生まれ。50歳。洛北高から早大を経て、91年に柏の前身である日立製作所に入団。JリーグではDFとして柏―浦和―神戸でプレーし、97年に引退。2000年に川崎アシスタントコーチ、04年にC大阪ヘッドコーチを経て05年から湘南へ。ジュニアユース監督、ユース監督、ヘッドコーチを歴任して12年に監督に就任し8季目。
一言コメント
調査結果も気になるところだが。
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