反社会的勢力元メンバーからの「タレコミ」過去2例
- 詐欺・悪徳商法
- 2019年7月3日
<復活Hデスク日誌「こちら裏・文化社会部」>
振り込め詐欺グループとされる反社会的勢力の忘年会などに「闇営業」として出席しカネをもらっていたなどとして吉本芸人らが謹慎処分となり、芸能界に激震が走ったが、最近、「芸人ばかり叩かれているが、こうした反社会的勢力や詐欺グループの関係者にカネや何らかの対価を払って、闇営業情報のネタや証拠写真を入手しているメディアもあるのではないのか? もしそういうことをしているメディアがあったとしたら、それは問題にならないのか?」というような声もよく聞くようになった。
実際、反社会的勢力にカネを払って情報を入手しているメディア関係者がいるかどうかは分からないが、個人的経験では筆者も過去、何度か振り込め詐欺グループ元メンバーや元幹部を名乗る人から、一方的にタレコミ(情報提供)を受けたことがある。ギャラや金銭的対価などは払っていない。すぐ思い出したのは以下の2件。
<1>詐欺グループ元メンバーを名乗る男性
→ある日、文化社会部に匿名の男性から電話がかかってきた。その男性は、たまたま電話に出た筆者に「最近まで振り込め詐欺グループにいたが、グループで内紛が起き、いつ殺されるか分からないので、怖くなり逃げ出してきた」といきなり訴えてきたのだ。
電話の目的を尋ねると「振り込め詐欺グループがやっていることは、かなりひどい。私がいたグループは1人のお年寄りから1000万円だましとったり、月1億円のもうけがあった時もあった。でも結局もうけた巨額のカネをめぐり、収益の奪い合いの内紛がおき、殺人事件寸前の暴力ざたになったのです。私は改心したので今後、詐欺グループの内情や、内部にいた人間だからこそ分かる詐欺対策を世間に訴えていき、それらを報じてもらうことで、こんなひどいグループの被害者が、これ以上増えないようにしたいのです。……で、こういう話をしたら、ギャラってもらえるんですか?」というような感じであった。
本気で「被害者をなくしたい」と思っていたのか、「情報提供料をもらいたい」だけだったのか、それ以外の目的があったのかまでは分からなかったが、本人の言うことが本当であれば、最近まで重大な犯罪行為をしていたことになり、まずはそれをつぐなうことが必要かと思われた、警察案件である。その後の詳細は省略。
<2>詐欺グループ元幹部を名乗る男性
→ある事件の取材で関係者に話を聞き情報収集していたところ、その場にたまたま居合わせたため、流れで会話せざるをえない状況になった男性だ。詐欺グループだけでなく、ある反社会的勢力にも所属していたと自称し、警察に逮捕され、出所し、罪をすでにつぐなっている…という趣旨のことも打ち明けてきた。推定30代。
こちらは特段関わりを持ちたいわけではなかったが、逮捕前における、自身に関する情報を一方的にいろいろ話してきた。そしてある女優とアイドルの名をあげ「実は○○や××と付き合ってたんですよ。おれ、すごくカネをもっててタワマンに住んでたので」と“情報提供”してきたのだ。2人に関するかなり細かい個人情報もすらすら話してきて、結局「○○や××とオレのツーショット写真ありますよ。○○に関しては、薬物をやってる時の証拠写真もある。いくらで買ってくれますか? 50万円とか100万円とか出ますかね?」という話になったのである。本当なのか虚偽なのか断定できないが、やんわり話題を変え、当初の関係者との取材も終わったので、筆者はその場をさっさと去った。
……こんな感じで過去、元反社会的勢力メンバーからの「タレコミ」的な話を聞くはめになったことがある。彼らの中には、「金銭さえもらえれば、内部情報は売ってしまえ」的な思考回路の人が、一定の割合で存在するようにも思える。そして、詐欺グループなどは結びつきがもろく、内部分裂しやすいため、さらにいろいろな情報があちこちに“漏れ”やすい、という側面もあるのかもしれない。
あくまで筆者の個人的経験だが、芸能界でも時折、反社会的勢力の元関係者と結果的にではあるが、からんでしまうことがある。
少し前のことだが、礼儀も正しく、さわやかなイケメンの推定30代後半の芸能関係者が、ある会合の場におり、たまたま近くにいたので雑談になった際、その人がひょんな流れで「僕、昔、振り込め詐欺みたいなことやってた時期があったんですよ」とさらっと告白してきて、がくぜんとした。【文化社会部・Hデスク】
一言コメント
芸能界以外も気を付けなければならない。
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