情報誌「リビング北九州」が廃刊へ 50年の歴史に幕 /福岡
- 企業・経済
- 2019年6月7日
生活情報紙「リビング北九州」を発行する「西日本リビング新聞社」(福岡市中央区)が6月4日、発行するフリーペーパー3紙の廃刊を発表した。(小倉経済新聞)
1968(昭和43)年に西日本新聞の子会社として創業し、新聞の情報を補完する生活情報をメインに紙面を編集していた。その後、フジサンケイグループ「サンケイリビング新聞社」とフランチャイズ契約し、オフィス配布型のフリーペーパーとして「リビング福岡」「リビング北九州」「シティリビング」の3紙を相次いで創刊。主に女性向けの生活情報誌として45年以上に渡り、毎週発行し続けてきた。
昨年4月、魚町銀天街にサテライト編集室として開業した「よんご」(北九州市小倉北区魚町3)のマネジャー・松本倫明さんによると、高所得者層の女性をターゲットにし、マーケティングが容易なことから、1990年代の全盛期は広告枠が埋まりすぎた時期もあるという。
「当時はターゲット層が細かく別れたメディアが少なく、読者が見えるという特性が受けた。その後、グルメ専門フリーペーパーの登場や、求人情報自体の激減などで広告収入が苦戦する時代になった。北九州エリアでの最も発行部数が多い時期は20万部を超えていたが、現在は18万部ほど」とも。
「大手紙メディアも軒並み発行部数を減らしている現状で、手をこまねいていたわけではない。小倉にロールケーキを提供するスイーツ店が多いことに着目した『小倉ロールケーキ研究所』の活動や、焼うどん・丸腸・角打ちなど独特の食文化に着目した『小倉うまかロボ大作戦』など、行政とタッグを組んだ食イベントのほか、多くの出版事業も手掛けてきた」と松本さん。
廃刊に至った主な要因として、インターネットの普及で広告の価値が激変したことを挙げる。同社が取引先などに配布している「解散のお知らせ」によると、生活者の情報収集手段がSNSなどを中心としたデジタルメディアに移行していったことに伴い、広告主の宣伝手法も変化し、収入の柱が紙面への広告収入に大きく依存する(同社の)事業構造が厳しくなったという。
サテライト編集室「よんご」は6月末で閉鎖し、紙面の発行は7月末までを予定している。同社は今後、会社清算の手続きを行う方針という。
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フリーペーパーも冬の時代!?
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