コンビニ24時間営業など公取委が調査へ 加盟店に不利益 排除措置命令も視野
- 企業・経済
- 2019年6月4日
公正取引委員会は、コンビニエンスストア本部とフランチャイズチェーン(FC)加盟店の取引に関する実態調査を今夏にも行う検討に入った。調査は2011年以来8年ぶり。人手不足で24時間営業の見直しを求める加盟店が広がるなど、コンビニを取り巻く環境は大きく変化している。本部が立場の弱い加盟店に不利益を強いていないか、独占禁止法に照らして慎重に調べる考えだ。
調査は、本部が優越的な地位を利用して24時間営業を加盟店に不当に強いていないか、契約や取引慣行の実態を調べる。本部が店舗の意向を無視して一地域に集中出店する「ドミナント戦略」を進めたり、販売期限が迫った食品を値引きする「見切り販売」を不当に制限したりして不利益を与えていないかも調べる。店主らに聞き取りやアンケート調査を実施し、必要に応じて本部も調査する。年度内をめどに独禁法上問題がないかなどをまとめ、公表する。違反行為があれば個別に審査し、取りやめを求める排除措置命令を出すことも検討している。
24時間営業を巡っては、今年2月、夜間短縮営業を始めた東大阪市のセブン―イレブン・ジャパン加盟店に対し、本部が約1700万円の違約金を求めたことをきっかけに、加盟店の不満が噴出した。コンビニ本部と加盟店の契約では、売り上げが増えるほど本部が受け取るロイヤルティー(加盟店指導料)が増える一方、人件費高騰によるコスト増は加盟店が負う仕組みになっている。経営悪化に悩む加盟店側が24時間営業の見直しを求めるのに対し、大手コンビニ側は原則24時間営業を維持する姿勢を崩していない。
公取委は、本部の独禁法違反行為を防ぐため、02年に「加盟者に一方的に不利益を与えたり、加盟者のみを不当に拘束するものであってはならない」と明記した指針を策定。09年には、セブンの本部が加盟店の見切り販売を不当に制限したとして、独禁法違反を認定し排除措置命令を出した。24時間営業問題については、今年4月に公取委の杉本和行委員長が「正常な商慣習に照らして不当に加盟店に不利益を与える場合、優越的地位の乱用として独禁法違反となる場合がある」と国会で答弁していた。
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なぜ、これまで動かなかったんだろう?
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