沖縄「東洋のカリブ」構想に追い風 那覇港のクルーズ船拠点化、国交省が選定
- 政治・経済
- 2019年3月4日
国土交通省は1日、クルーズ船誘致に向け民間投資も活用した港湾の整備を進める「官民連携による国際クルーズ拠点」となる港湾に那覇港を選定したと発表した。今後、国交省の指定を受け、那覇港管理組合と船社のMSCクルーズ(スイス・MSC)、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(米国・RCL)は、那覇港新港埠頭(ふとう)の北西側に第2バース12、13号岸壁の整備を進め2022年の運用開始を目指す。実現すれば、県が推進するクルーズ観光振興政策の「東洋のカリブ構想」の実現に向け追い風となりそうだ。
那覇港管理組合らが国交省に提案した計画では、22万トン級の大型クルーズ船が接岸できる岸壁などを国と同組合で整備し、船社側がCIQ(税関、出入国管理、検疫)施設や商業施設などが入る旅客ターミナルビルを整備する。船社側は整備費用を負担する代わりに先行予約などで、岸壁を優先的に利用することができる。同計画では22年の運用開始年には108回、30年には205回の寄港回数を目指している。
国交省は選定理由として、「フライ&クルーズや南西諸島周遊クルーズなどを通して今後の寄港増加が見込めること」や、「県が策定した『東洋のカリブ構想』の実現に中核的な港湾として期待が持てる」ことなどを挙げた。
沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長は「実現すれば那覇港がアジアのクルーズ拠点として観光誘客の大きな柱となる」と期待。また、「クルーズの母港化となれば県内各地の港を結ぶ離島周遊の機会も増え、クルーズ観光の課題だった観光消費の向上にもつながる」と強調した。
船社代理店の沖縄シップスエージェンシーの松田美貴会長は「現在の貨物船と共用している9・10号岸壁とのすみ分けができ、人や貨物の安全性が確保できる」と評価するも、「寄港回数の増加でトラックや観光バス、タクシーなど新港埠頭を行き交う車両も増えるため、利便性や安全性の向上に交通インフラの整備も重要だ」と課題を挙げた。
一言コメント
もっと早く選定しても良かった。
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