転居無理なら賃料交渉を…レオパレス施工不良 退去求められても法的には住める 行政命令まで
レオパレス21深山英世社長(7日):
「心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません」
“家具家電付き”など独自のサービスで知られるレオパレス21の一部のアパートで施行不良が発覚。
天井などで設計図と違う素材が使われ、建築基準法が定める耐火性能を満たしていないというのです。
火災が起きれば命にかかわる問題…。
レオパレス21は該当するアパート641棟に住む、7782人について3月末に退去するよう求めています。
新年度に向けて引っ越しも多いこの時期、急な退去を求められても…。街の人に聞いてみると?
女性:
「あれはあかんわ!」
連れの女性:
「引っ越しなんてどう思うんですか、今のシーズンなんか!」
男性:
「危険にさらした年月が、何ヶ月もあるわけでしょ、そのことに対しての補償がないやん。慰謝料は払わないとあかんと思う」
関西でも施行不良と判明した物件は100棟以上あります。そのひとつを取材してみると…。
(記者リポート)
「こちらの奈良県内のアパートでも施行不良が見つかったんですが、住民は転居するか悩んでいるということです」
奈良県内の住民:
「(Q.不具合は感じましたか?)とりあえず、隣の家の声はツーツー、それが普通なんかなとしか思ってなかったです。『出ていけ』って言われても駅で寝るか…現実はみんなそうと思うんですけどね。住民にお年寄りの方もいるので、身寄りがなかったら、その辺で寝るしかないんじゃないですかね」
またレオパレス側から「3月末退去願い」の通知が4日前に届いたという別の男性は…。
別の住民:
「3月末までって書いてあるんですけど、結構急かなって。今から急いで決めるしかない。そんなに時間も、休みとかも限られているので…やるしかないかと」
次に住む場所が決まらず焦る中、気になっているのがやはり“お金の面”です。
レオパレスからは「新住居の家賃5カ月分は補償する」と言われたそうですが…。
住民の交際相手の女性:
「それの他に掛かってくる費用は、例えば次引っ越すところで敷金・礼金掛かるってなったら『それはどうなるんですか?』って聞いても返事してくれなかったんで。他に掛かるお金って、別に必要なかったお金じゃないですか。それ考えたらめちゃくちゃ迷惑ですよね」
ずさんな施工不良の結果、住み慣れた家からの退去を突然言い渡されたら…。レオパレス21にどこまで補償を求められるのか。菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「引っ越し代はもちろん、それ以外に新居の敷金・礼金、新家賃との差額や、職場などへの交通費の増えた分なども、最大2年分くらいはレオパレス21側から負担してもらえると思います。
今回の件が無かったらしなくていい出費について“1回の更新分”くらいの期間、というところじゃないかなと。10年、20年分と言うのは将来転居するかもしれませんし難しいと思います。
今回ある住民の方に対してレオパレス21側から『新居の家賃5か月負担』という連絡があったということでしたが、そうすると、その5か月分と先ほど述べた差額分は実際にはあまり変わらないかもしれないですね」
Q.街の方の中には、これまで危険なところに住まわせられていたことに対する慰謝料について、気にされている方もいましたね。
菊地弁護士:
「大変鋭いご指摘だったと思います。ただ過去の分というのはなかなか難しいかもしれません。何も感じず経過してしまったので」
Q.では、急すぎて転居も無理なので、住み続けるしかないとなった場合、法的にはどうなるのでしょうか?
菊地弁護士:
「法的には問題ないのですが、行政による是正命令で退去せざるを得なくなるかもしれません。
入居されている方には何の責任もないですが、作った方や所有されている方は『違反建築このままじゃだめですよ』ということで、行政から直しなさいという是正命令を受けることすらあり得ます。そうなると、やっぱり出ていかなければいけないということになります。でも、それまでの間住み続けることは、法的には可能かと思います」
Q.その場合、住み続けている間の慰謝料などはどのように?
菊地弁護士:
「ちゃんとした家だということで家賃を決めて、入居をしていたわけです。ところが違反建築だったんですから、賃料に見合う物件じゃないじゃないかと言うことで、賃料減額の申し入れをしてみて下さい」
Q.自分の判断で住み続けた場合、退去した際に「補償」が減額されるというようなことはあるんでしょうか?
菊地弁護士:
「やっぱり違反建築ですから、本来必要なかった費用が掛かったらそれは損害と考えていいと思います」
一言コメント
しばらく混乱しそうだ。
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