革命40年のイラン、軍備強化推進を強調 首都は反米ムード一色に
- 国際
- 2019年2月12日
【テヘラン=佐藤貴生】イランで王制が崩壊し、イスラム教シーア派の法学者が権力を握った革命から11日で40年となり、国内メディアによると全国各地で数百万人が革命を祝って行進した。首都テヘランで演説したロウハニ大統領はミサイル開発など軍備増強を推進する方針を強調し、核合意を破棄して経済制裁を再開したトランプ米政権に屈しない姿勢を鮮明にした。
国営イラン通信(電子版)などによると、ロウハニ師は演説で「他者に許可を得ることなくミサイルを製造する。軍事と防衛の道を歩み続ける」と軍備強化を継続する意向を示した。
ロウハニ師は「イランは他国を支援できる(中東地域で)唯一の国だ」と述べ、シリアやレバノンなど周辺国への影響力を維持する決意を表明した。また、「米の制裁に打ち勝つ。米国に勝利はない」と述べ、経済低迷などの問題に対処するため、最高指導者ハメネイ師の下に団結するよう呼びかけた。
首都テヘランでは小雨の中、11日朝から多数の人が大通りに押し寄せて行進し、「制裁に効果はない」「トランプよ、この大群衆を見よ」などと気勢を上げ、反米一色に染まった。
革命指導者ホメイニ師と同じ名前を持つ事務員のルーホッラーさん(38)は娘のタハラルさん(10)の手を取りながら、「私はイラン・イラク戦争が開戦した年に生まれた。娘が大人になったとき、革命体制はさらに強化されているはずだ」と話した。
迷彩服を着た陸軍の兵士(21)は、「国家の危機となれば、いつでも出ていって戦う覚悟だ」という半面、「経済危機で生活は厳しい。給料も下がっている」と漏らした。
イランでは40年前のこの日、パーレビ王朝が崩壊して革命が成立した。
一言コメント
憎しみの連鎖は止まらないのか…
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