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国内企業、業績が急ブレーキ=中国需要落ち、減益修正相次ぐ〔深層探訪〕


 国内の企業業績に急ブレーキがかかっている。米中貿易摩擦の激化で中国経済の減速が鮮明になり、電機メーカーを中心に需要が急減。業績予想の下方修正も相次いだ。英国の欧州連合(EU)離脱など世界経済をめぐる不透明感は増しており、業績の先行きに暗い影を落としている。

時事通信社が7日までに決算を発表した東証1部上場874社(全体の約67%、金融を除く)を対象に集計したところ、2018年4~12月期の純利益は前年同期比3.0%減。通期予想を下方修正した企業は117社に上り、上方修正の72社を大幅に上回った。

◇最高益予想から一転
「11月に入り、顧客の投資が止まってきた。スマートフォン向けの設備に使うモーターがかなり落ち込んだ」。パナソニックの梅田博和常務は厳しい表情で語った。

中国ではスマホ販売が減少し、高級機種を中心に展開する米アップルなどメーカー各社が苦戦。部品や設備の供給を担う日本企業に影響が及んでいる。パナソニックの4~12月期の連結純利益は13.2%減の1737億円となり、通期予想の下方修正を余儀なくされた。

三菱電機も、10~12月の中国での売上高は2割減と失速した。皮籠石斉常務は「顧客のプロジェクトの凍結、延期が確実になってきた」と声を落とす。

中国の自動車市場も低調だ。「地場ブランドや米国車が減少している」(ホンダ)といい、部品メーカーにも打撃だ。

日本電産では車向けモーター事業が急速に悪化。19年3月期の連結純利益は従来の最高益予想から一転、6年ぶりの減益となる見通しだ。4~12月期の中国での売り上げが前年同期比マイナスとなった日立製作所は「自動車の落ち込みが大きかった。この状況は続く」(西山光秋執行役専務)とみる。

◇広がる先行き懸念
先行きへの懸念は増益企業や非製造業にも広がる。半導体製造装置の東京エレクトロンは19年3月期に増収増益を見込むが、河合利樹社長は中国の半導体メモリー需要について「貿易摩擦の影響が出ている。顧客が(設備投資を)見直すところもある」と指摘。ANAホールディングスの福沢一郎執行役員は「旅客事業で大きな影響は出ていないが、19年度を見据える上で気を付けないといけない」と強調する。

商船三井の丸山卓専務は「旧正月明けは(中国向け)荷物が減る。貿易摩擦の影響で通常以上に落ち込むようであれば減便しないといけない」と身構える。

みずほ証券の三野博且シニアストラテジストは「先行き不安はすぐには解消しない。投資を手控える動きから、19年度前半は減益基調が継続する。ただ、年度後半には半導体需要などが底入れし、業績は持ち直してくる」とみている。

◇中国経済に関する発言
パナソニック      梅田博和常務    11月に入り、顧客の投資が止まる
三菱電機        皮籠石斉常務    顧客のプロジェクトが凍結、延期に
日立製作所       西山光秋執行役専務 自動車の落ち込み大きい
日本電産        永守重信会長    欧州車メーカーに中国減速の影響
東京エレクトロン    河合利樹社長    顧客に(投資)見直しの動きも
ホンダ         倉石誠司副社長   中国車、米国車の販売減少
ANAホールディングス 福沢一郎執行役員  19年度見据える上で気を付ける
商船三井        丸山卓専務     通常以上に落ち込めば減便も

時事通信

 

 

一言コメント
長期化しなければよいが…


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