スティック飲料市場が300億円突破、AGF「ブレンディ」がけん引、パーソナル化進行で拡大
- 企業・経済
- 2019年1月20日
味の素AGF社が牽引するスティック市場は、2018年の飲用杯数が前年比105%の年間25億杯となり、売り上げ規模はいよいよ300億円超となった(同社調べ)。2005年に約100億円だった同市場は、13年間で3倍へと拡大している。カテゴリートップのAGFとネスレ日本の2社でほとんどのシェアを占めており、特にAGFは約6割、うち「ブレンディ」スティックは約5割のシェアを持つ状況だ(17年度)。
スティックとは、もともと、インスタントコーヒー・クリーミングパウダー・砂糖が一袋になったスティックタイプのコーヒーのことを指していたが、AGFが生活者のニーズに合わせて、紅茶やココア、フレーバーティーを展開し、現在ではスティックタイプの嗜好飲料全体を指している。AGFの展開する商品だけでも計26種類(18年度)を展開している。
同カテゴリーの好調要因は、1杯ずつ個包装になっていることと、豊富なメニューにある。お湯を注ぐだけで、いつでもどこでもカフェでも人気のメニューが楽しめるとともに、種類が豊富なのでコーヒーが苦手な人からも支持されている。
1~2人世帯の増加やライフスタイルの多様化により、家族で一緒に食事やコーヒーを楽しむ時間が減る中、それぞれの時間帯に自分の好みの味を選べることが大きい。衛生的な状態で持ち運ぶことのできる特性を生かし、室内だけでなく、スポーツ観戦や山登りなどのアウトドアでの飲用も増えている。
味の素AGF社は、さらなるユーザー層の拡大に向け、コーヒー専門店が注目されるようになった16年には、「〈ブレンディ〉カフェラトリー スティック」を投入。コーヒー使用量を2倍以上にするとともに、独自技術でなめらかな泡を実現したブランドを発売し、専門店体験のある若年層や女性層をスティックに取り込む施策を行い、こちらも順調に推移している。
今春の新商品(2月22日発売)では、アイスシリーズのバラエティを広げている。アイス飲用の頻度が高まっていることと、春夏にスティックを飲用する生活者は秋冬飲用の頻度も高くなる傾向にあることが背景にある。スティックでシェアトップの「ブレンディ」スティックは、アイスカフェオレ、アイスエスプレッソ・オレ、アイス紅茶オレ(各7本入り)、アイス抹茶オレ(6本入り)の4品を発売。冷たい水でもサッと溶け、クリーミーな味わいが特徴だ。
プレミアムタイプは、家庭外の飲用者の取り込みに向け、カフェや専門店品質の味わいの「ブレンディ カフェラトリー スティック」シリーズから、味の素社とのシナジー効果でコクと泡立ちを実現した〈濃厚クリーミーカプチーノ〉(7本入り/18本入り)と、フルーツフレーバーと紅茶感を強化した〈芳醇グレープフルーツティー〉(7本入り)を発売する。
コミュニケーションでは、18年10月から働く女性を応援する新コミュニケーションとして、EXILE/三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの岩田剛典さんを起用し、スティックの朝飲用を促進する「朝オーレ!」をスタート。朝のシーンでの飲用や新規ユーザーを前年より約10%増やしたという。
パーソナル化が進み、忙しい毎日を送る現代人のニーズに応える簡便な飲料として、スティック飲料市場はさらに拡大しそうだ。
一言コメント
種類も増えてきたね。
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