武田、巨額買収でどう変わる? =課題は負債削減
- 企業・経済
- 2019年1月9日
武田薬品工業は8日、アイルランド製薬大手のシャイアーの買収手続きを完了した。買収額は約6兆2000億円で、日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)で過去最大となる。武田が巨額買収でどのような企業に変わろうとしているのかまとめた。
―桁外れの買収額だ。
これまで最大だった2016年のソフトバンクグループによる英半導体設計大手ARM(アーム)ホールディングスの買収(約3兆3000億円)の2倍近くと突出している。ただ、買収額は昨年5月の見通しから6000億円ほど安くなった。武田株と現金を組み合わせてシャイアー株を買い取る方式のため、武田株が2割近く値下がりした影響を受けた。
―シャイアーはどんな会社か。
血友病など希少疾患の治療薬や、血液製剤関連の分野に強い会社だ。武田はこの2分野に、これまで注力してきたがん、消化器系疾患、神経精神疾患の治療薬とワクチンを加えた計6分野を主要領域と位置付け、経営資源を集中投下する考えだ。
―企業規模が大きくなる。
単純合算すると、売上高は3兆4000億円に倍増し、世界上位10社に食い込む見通しだ。純利益は3.5倍に跳ね上がる。企業規模が拡大すれば、製薬会社の生命線である新薬の研究開発に多額の投資が可能になる。
―グローバル化も進む。
武田は米国に強いシャイアーを取り込むことで、収益性の高い同国での存在感が格段に増す。米国での売上高は全体のほぼ半分に達する見通しだ。海外従業員比率は9割近くに上がる。
―今後の課題は。
やはり債務(借金)の返済だ。かつては無借金経営で有名だったが、5兆円以上の債務を抱える。格付け大手S&Pグローバル・レーティングは8日、武田の格付けを「Aマイナス」から「BBBプラス」に一段階引き下げた。武田のクリストフ・ウェバー社長は1兆円超の資産売却で債務の圧縮を加速する方針だが、S&Pは、財務指標に関し「早期回復は見込めない」と指摘している。
一言コメント
アリナミン飲んでガンバレ。
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