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<東証1部>利益合計が過去最高 上場企業の中間決算ピーク


 東証に上場する企業の2018年9月中間決算発表が9日、ピークを迎えた。SMBC日興証券の集計によると、世界的な景気拡大に伴う海外収益の増加と円安が追い風となり、東証1部上場企業(金融業除く)の中間連結決算で最終(当期)利益の合計額は過去最高を更新する見通しだ。ただ、米中貿易戦争などで先行き懸念は根強く、19年3月期通期の業績に慎重な見方を示す企業は多い。

8日までに公表した1部上場企業(1008社、全体の75.6%)の最終利益は前年同期比11.0%増で、売上高は4.4%増、本業のもうけを示す営業利益は6.3%増となった。9日以降の決算が会社予想通りと仮定して計算すると、最終利益は計16兆2690億円となり、売上高、営業利益とともに過去最高になる見通しだ。

製造業や情報・通信がけん引し、アジアなどの販売が好調だったトヨタ自動車は過去最高益を更新。為替レートが円安で安定していることから、通期の想定レートを従来の1ドル=106円から110円へ円安方向に見直し、業績見通しも上方修正した。ゲーム事業が好調だったソニーや、投資事業が伸びたソフトバンクグループも最終利益が過去最高を更新した。

ただ、通期の最終利益予想を下方修正した企業は176社あり、上方修正の企業数(163社)を上回った。通期の最終利益予想の合計額も18年3月期実績比で1.1%減となり、現時点で3年ぶりのマイナスに落ち込む見込み。SMBC日興証券の安田光氏は「貿易摩擦で企業心理が悪化し、業績予想を上方修正しにくくなった」とみる。

決算会見でも、見通しを堅く見積もる姿勢が目立った。日立製作所は中間期の最終利益が過去最高だったが、貿易戦争を念頭に「先行きが非常に見通しにくい」(西山光秋最高財務責任者=CFO)として利益予想は据え置いた。三菱電機は、中国からのスマートフォン生産システムの受注減少が響き、中間期で最終減益となり、通期も下方修正した。同社の皮籠石斉常務執行役は「米中摩擦で、顧客の設備投資動向が慎重になりつつある」と話す。マツダは貿易戦争を背景に「中国の消費者心理が冷え込んだ」(青山裕大常務執行役員)として最終利益の見通しを引き下げた。

原油高や、夏以降に頻発した自然災害も重くのしかかる。JFEホールディングスは、関西での台風災害の影響で見通しを下げた。災害による訪日外国人の減少が響いた小売りや、原油高に悩む運輸でも下方修正する企業が目立った。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の渡辺篤氏は「幅広い企業が好業績だったこれまでと異なり、今中間期はトヨタなど増益額の大きい上位10社を除くと、経常利益は全体で減益になる。世界展開する製造業以外の業績は伸び悩み、景気減速感が出ている」と指摘している。

毎日新聞

 

 

一言コメント
大手は概ね堅調のようだ。


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