通販大手の千趣会、星野社長辞任 大規模リストラ発表
- 企業・経済
- 2018年10月27日
業績不振に陥っているカタログ通販大手の千趣会は26日、経営の責任を取る形で星野裕幸社長(58)が辞任し、後任に梶原健司取締役(57)が11月1日付で昇格する人事を発表した。あわせて大阪市北区の本社ビルを売却し、年内に280人程度を対象に希望退職者を募る大規模なリストラを行うことも発表。「抜本的な事業構造改革が必要と判断した」と説明している。
社長に就任する梶原氏はファッション事業部での経験が長く、ネット販売事業にも詳しいことなどから、経営再建の指揮を任される。星野氏は取締役も退任し、顧問になる。
希望退職はグループで11月26日から12月7日までに45歳以上の社員を280人募り、12月31日付での退職となる。また、人員削減に伴う規模縮小と経営の効率化のため、分散していた各部門や一部のグループ会社を大阪と東京の拠点に来年1月中旬までに集約する。その後、大阪にある現在の本社ビルは売却する。
千趣会は昭和30年の設立以来、女性を主なターゲットに、カタログ通販大手として事業を拡大してきたが、近年はアマゾンなどのネット通販の急速な台頭、メルカリなど消費者同士のやりとりによるリサイクル市場の拡大にも押される形で顧客を奪われ、業績が低迷してきた。平成29年12月期連結決算の最終損益は110億円の赤字に転落。ネット事業の強化などに努めているが、顧客離れを止められていない。27年に資本・業務提携を行ったJ・フロントリテイリングとも、業績悪化を受けて、今年4月に関係を解消していた。
26日発表した30年1~9月連結決算は、売上高が前年同期比10・3%減の810億円、最終損益は46億円の赤字となった。また同日、30年12月期連結決算の業績予想も修正。最終損益は希望退職者の募集に伴う特別退職金や在庫処分などの特別損失計上も見込まれるため、103~90億円の赤字になる見通し。
一言コメント
ここまで厳しくなっていたとは…
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