プリンスホテル福岡進出へ、社長が意欲
- 企業・経済
- 2018年10月6日
プリンスホテル(東京都豊島区)の小山正彦社長は5日、福岡市中央区で開いた事業説明会で「福岡は非常にポテンシャルの高い魅力的な都市だ。開発会社などいいパートナーに恵まれれば(開業を)前向きに検討したい」と述べ、福岡初進出に意欲を示した。同市では過去5年間で4倍近く増えている外国人観光客らへの対応としてホテル需要が高まっている。一方で高級ホテルや建設用地の不足といった課題も指摘されている。(小沢慶太)
小山氏の福岡訪問は、6月の社長就任を機に全国7都市を巡るキャンペーンの一環。同社は東日本を中心に全国で43のホテルを展開するが、九州では宮崎県日南市の「南郷プリンスホテル」のみ。福岡は「九州のハブ機能を担う最重要拠点」と位置づけており、小山氏は「観光、ビジネスの両面でまだまだ発展していく期待の大きい都市だ」と強調した。
開業を想定しているのは、同社が新たに展開する次世代型宿泊特化ホテル「プリンススマートイン」だ。20~30代のビジネス客や外国人観光客らをターゲットに手軽に利用できるホテルで、宿泊料も1部屋1万円前後と「プリンスホテル」など既存ブランドよりも低価格に設定する。
福岡市の平成28年の観光客数は2050万人と5年連続で過去最高を更新した。中でも外国人客は近年急速に伸びており、昨年は298万人で、24年(82万人)の3・7倍となった。国際会議の開催も28年は383件で、都市別では東京に次いで全国2位だった。
宿泊需要が高まる福岡市中心部では、ホテルの開業が相次いでいる。市内の昨年の全客室数は約2万5800室で、30年度は3637室、31年度は1614室の新設が計画されている。客室稼働率は4年連続で8割超と高いが、今後も需要は見込まれる。
一方、課題となっているのが高級ホテルの不足だ。31年の主要20カ国・地域(G20)首脳会合を誘致できなかったのも、各国要人が泊まるスイートルーム不足が原因とされた。34年には外資系の最高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」が開業する見込みだが、大阪など他の大都市圏には及ばない。
加えてホテルの建設用地不足にも拍車がかかりそうで、小山氏は「(出店の)機会に恵まれないというのはそういう難しさがあると思う」と漏らした。
一言コメント
ついにプリンスもやってくる!?
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