淡路島の玄関にリゾート整備 20年度開業、国営明石海峡公園内に
- 政治・経済
- 2018年9月27日
国土交通省が、国営明石海峡公園淡路地区(兵庫県淡路市)内にリゾートエリアを整備することが26日、分かった。約22ヘクタールの広大な海岸ゾーンを、飲食・ショッピング▽展望・散策▽バーベキュー・グランピング-の3区画に分けて開発する。このうち、飲食・ショッピング区画の整備は改正都市公園法に基づき民間に開放。国営公園で初めて公募設置管理制度方式を導入し、10月にも事業者の公募を始める。(西井由比子)
淡路島北東部に広がる同公園淡路地区(96・1ヘクタール)は、神戸方面から明石海峡大橋を渡ってすぐという好立地。甲子園球場6個分の広さに相当する海岸ゾーンは現在、イベント開催時の臨時駐車場などとして使用されている。
今回の開発は、こうした立地などに着目し、国営公園内に一大リゾートエリアを整備する計画。担当する同省国営明石海峡公園事務所(神戸市中央区)は「明石海峡大橋を都市の日常から抜け出すゲートウエーと位置付け、近隣・近郊住民や国内外の観光客が集う新たな国営公園モデルを創り上げたい」とする。
3区画はシースケープ・ラウンジ(飲食・ショッピング)▽シースケープ・フィールド(展望・散策)▽アウトドア・ベース(バーベキュー・グランピング)-と命名。このうち、リゾートエリアへの入り口となるシースケープ・ラウンジの開発を民間に委ねる。残る2区画は国が事業計画を立案、整備する。
同ラウンジは約2・9ヘクタールの南北に細長い敷地。公募設置管理制度方式の対象となるスペースは、駐車場や主要な園路を除いた8900平方メートルで、飲食、物販に限らず幅広く整備のアイデアを募る方針という。
2017年6月に施行された改正都市公園法の狙いは、民間の投資誘導による都市公園の質向上。募集する事業者には、飲食や物販などの収益施設と周辺広場などの公共部分の整備・改修の一体的な実施を求める。
同事務所は本年度中に事業者(1社)を決定。2020年度の開業を目指す。国が整備する他の2区画の完成は22年度ごろとなる見通し。
【国営明石海峡公園】淡路市と神戸市北区・西区の2地区からなる計330ヘクタールの公園。明石海峡大橋を介した広域レクリエーションゾーン造成のため、大橋完成前の1993年に国が整備に着手した。淡路地区(96.1ヘクタール)は関西空港建設などのための土採り跡地で、2002年に第1期がオープン。年間を通して花と緑が楽しめる。同地区の17年度の入園者数は52万人。山の斜面にある「展望ゾーン」(37ヘクタール)は未整備。
【改正都市公園法】民間資本の導入による公園のスペース活用を促すため、民間事業者がカフェ、レストランといった商業施設を設置する場合、収益の一部を公園整備に還元することを条件に契約期間を従前の2倍の20年とし、建ぺい率を10%上乗せして12%とするなど規制緩和を進めた。民間事業者にとっては、長期的視野での投資、一体的な環境整備が可能となる利点がある。
一言コメント
ロケーションはよさそう。
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