<検査データ不正>3社6480台 改ざんなくリコールせず
スズキとマツダ、ヤマハ発動機は9日、出荷前の新車の排ガスや燃費を調べる抜き取り検査で、不適切な計測があったと発表した。検査の条件に合わず無効とすべきデータを有効と扱っていた。対象は3社で計6480台に上り、スズキは2012年6月以降に検査した新車の約半数で不適切な計測を行っていた。いずれもデータの改ざんはなく、燃費などへの影響はないとしてリコール(回収・無償修理)はしない。
抜き取り検査は国の規則で決められた速度や走行時間で行わなければならないが、3社は条件に合っていない場合も検査データを有効と扱っていた。スズキやヤマハは検査員が規則を正しく理解していなかった。マツダは規則を認識していたが、検査条件に合っているかどうか確認作業をしていなかった。
スズキは12年6月~今年7月、自動車1万2819台のうち49・9%に当たる6401台で不適切な検査をしていた。マツダは14年11月~今年7月、自動車1875台のうち3・8%に当たる72台で、ヤマハは16年1月~今年7月、二輪車335台のうち2・1%に当たる7台で同様のケースがあった。
3社は9日、東京都内でそれぞれ記者会見を開いて陳謝した。16年にも燃費データの不正が発覚したスズキの鈴木俊宏社長は「社内のチェック態勢ができていなかった」と謝罪した。
7月までに日産自動車やSUBARU(スバル)で検査不正が発覚。これを受け、国土交通省が他のメーカーに調査を求めていた。
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