東芝 営業益9割減、次の稼ぎ頭の育成焦点
- 企業・経済
- 2018年8月10日
東芝の4~6月期の最終利益が1兆円超となったのは、半導体子会社だった東芝メモリの売却益ですべての説明がつく。実際、本業のもうけを示す営業利益は前年同期比94・5%減の7億円どまりで、従来、営業利益の9割を稼いだ半導体メモリーに代わる“稼ぎ頭”の不在が改めて浮き彫りになった。11月に公表する中期経営計画で、新たな成長事業をどう打ち出せるかが、最大の焦点となる。
4~6月期の主要5事業の部門別の営業損益をみると、エネルギーとシステムが赤字、半導体関連が減益、インフラと複合機関連の2事業が小幅な増益と、低調な内容だった。本業の収益力を示す営業利益率は0・08%と、1%にも届かず、同業態の日立製作所の4~6月期の6・8%、三菱電機の5・9%から、大きく引き離されている。
低収益に甘んじるのは、東芝の収益構造が半導体メモリー事業に過度に依存していたためで、11月公表の中期計画では、てこ入れのための収益力強化策と事業別戦略を打ち出す考え。ただ、東芝はこれまでの経営再建の過程で、成長期待の大きかった医療機器の売却やパソコンからの撤退を決めており、中期計画では今後、どの事業を稼ぎ頭として打ち出すかが焦点だ。
車谷暢昭会長は、システム販売後に人工知能(AI)などを使い、保守やサービスで継続的に収入を得るモデルの構築を急ぐ考えを示す。ただ、事業を軌道に乗せるには時間がかかる見通しで、早期の収益貢献は難しい。
成長に向けた投資余力も大きくはない。東芝は6月、株主還元のため、東芝メモリの売却益を使い約7千億円の自社株買いを行うと発表。実施すれば投資余力がそがれるだけに、再成長に向けた展望は、なおも見通しにくい状況にある。
一言コメント
東芝というとサザエさんを思い出す。
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