プレ金1年半、経済効果は遠く 働き方変化、個人消費拡大にどうつなぐ
官民挙げて個人消費を促そうという「プレミアムフライデー(プレ金)」が、27日でスタートから1年半を迎えた。18回目のプレ金ということになるが、認知度に対し、盛り上がりや経済効果は今ひとつ。百貨店業界などが、呉越同舟で仕掛けた「プレミアムサマーバザール」には、経団連の中西宏明会長も足を運び、ワインを購入するなど後押ししたが、消費の起爆剤になるか−。
経団連会長がPR
中西会長はこの日、石塚邦雄副会長(三越伊勢丹ホールディングス特別顧問)とともに、午後4時半過ぎから東京都中央区の銀座三越と銀座・和光(WAKO)を訪れた。
三越では「月末は結構仕事の予定があるんだよね」と本音を吐露しながらも、地下3階の食品売り場で赤ワインとチーズ、熟成豚肉など2万2859円を購入し、プレ金をアピール。「百貨店にこれだけの人(客)がいるんだから、個人消費がもっと増えてもいいのにな」と語った。
プレミアムフライデーは、経済産業省や経団連が旗振り役になり、昨年2月にスタートした。月末の金曜日は仕事を早めに切り上げて「プレミアムな時間」を過ごし、「国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費の活性化につなげる」(経団連)のが狙いだった。
だが、実施から1年の状況をまとめた市場調査会社インテージの調査(首都圏の20〜50代有職者3251人が回答)では、認知度は初回の69.7%から97%まで上昇したものの、奨励・実施した会社は11%、1回以上早帰りした人は8.3%にとどまり、早帰りした人の46%が、「自宅で過ごした」と回答した。
プレミアムフライデー推進協議会はホームページで、金曜午後からの「2.5日旅」や「午後ブラショッピング」「夕飲み」「アフター3エンタメ」、家族そろっての「午後パー」などを提案し、企業の取り組みやキャンペーンを紹介している。
活性化に所得増必要
しかし、大和総研の近藤智也シニアエコノミストは「平日に余暇時間をつくる意味では良い機会になったが、個人消費の活性化には所得増などの本来的な喚起策が必要」と指摘する。
スタート翌月が年度末に重なったこともあり、「月末は忙しい」「曜日を変えるべきだ」などと、否定的な盛り上がりを見せたプレ金。
経団連の担当者は「消費行動を変えるきっかけになればいい。クールビズも初めは、ネクタイを外すのに抵抗があったり、定着に時間がかかった」と話す。プレミアムフライデーとともに、個人所得の“盛り上がり”にも期待したい。
一言コメント
そういえばそんな言葉もあったね。
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