外国産マグロが売り場独占=品薄の国産横目に―築地市場
- 流通
- 2018年7月28日
漁獲規制で水揚げが減っている青森・大間産などの近海クロマグロの穴を埋めるように、外国産マグロが東京・築地市場(中央区)に大量入荷している。
生マグロ売り場が外国産でほぼ占められる日があったほか、高級すし店向けなどで高値が付くことも多く、今や取引の主役に躍進。市場関係者からも「過去に経験がない状況」と驚きの声が上がっている。
特に増えているのがオーストラリアやニュージーランド産の生ミナミマグロ。同市場の7月の入荷量は、27日時点で前年に比べ約1.5倍の3780匹と近年では最も多い。現地は冬のため「身が締まって脂が乗り、空輸のため鮮度も良い」(卸会社)と高評価。豊富な入荷を受けて、7月下旬の卸値は、1キロ当たり2000円前後と大衆マグロのメバチ並みに安く、人気を集めている。
津軽海峡産と同じ、200キロ以上の大型が多い米国・ボストン産も7月は約180匹と豊漁だった前年並みの潤沢入荷。大間産などの代替品として注目され、今年は上級品が1匹200万~300万円と大間産に匹敵する高値が付いている。競り落とした仲卸業者は「国産の上級品を希望する顧客は多いが、ここまで少ないと、産地ばかりにこだわっていられない」と話す。
津軽海峡産マグロの水揚げは例年、6~7月に始まり、豊漁だった2013年は7月だけで460匹が築地市場に入荷していた。しかし、今年からは資源保護のため漁獲がさらに厳しく規制され、7月の同市場の入荷量は27日時点で37匹と過去10年で最も少ない。
厳格な漁獲上限が設定された大間漁業協同組合の各船は「需要期の年末用に漁獲枠を残すため、出漁を見合わせるケースが多い」(大間漁協関係者)という。都内の高級すし店など、ブランド魚の大間マグロを待ち望む声も多いが、しばらくは低調な水揚げが続く見通し。操業が本格化する秋までは、資源が豊富な外国産に頼らざるを得ない状況だ。
一言コメント
とにかくおいしいマグロを食べたい。
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