逆走台風12号でイベントも多数中止・順延に…中四国はさらなる土砂災害に注意を
日本の南の海上を北上中の強い台風12号は、28日午後に伊豆諸島に近付いた後、夜には強い勢力のまま東日本に上陸するおそれが高まった。これを受けて、28日に予定されていた「隅田川花火大会」や高校野球の西東京、南神奈川両大会の決勝が順延されるなど、スポーツやイベントに大きな影響が出た。また、気象庁はこの日、台風12号の異例ともいえる西日本への進行の可能性を示唆。西日本豪雨の復旧活動が進んでいる被災地では注意が必要だ。
気象庁はこの日、緊急会見を開き、台風12号について「これまでにない経路をたどると予想している」と説明した。これまで北進するとみられていた進路を西に大きく変え、東京の夏の風物詩を“直撃”した。
隅田川花火大会実行委員会はこの日、28日に開催予定の花火大会を29日に順延すると発表。江戸時代までルーツがさかのぼる歴史ある花火大会が延期されたのは、1978年に大会が復活して以降、97年のみ(2013年は途中で中止)。当時も台風が理由だったが、延期が決まったのは当日朝で前日の決定は初めてとなる。29日に実施するかどうかは、28日の午後6時にツイッター公式アカウントで発表するとしている。
隅田川以外でも、28日に予定されていた昭和記念公園や八王子市などの花火大会は中止が発表された。また、スポーツでも100年記念大会の出場校を決める高校野球の西東京大会(神宮)は30日、南神奈川大会(横浜スタジアム)は29日にそれぞれ順延が決定。28日夜に上陸が予想される関東地方を中心に順延や中止が相次いでいる。
気象庁は28日正午からの24時間雨量について多い地域で関東甲信地方で300~500ミリ、東海300~400ミリ、伊豆諸島、近畿、中国200~300ミリ、四国100~200ミリ、九州北部で100~150ミリと予想。暴風や高波への注意も必要としている。
西日本豪雨の爪痕が残る中四国でも強い恐れが出てきた。台風12号は進路を変え、西へ“逆走ルート”を進む見込みだ。気象庁は台風12号について、29日明け方までに東海または近畿付近に上陸、同日は西日本を強い勢力を保ったまま進むとしており、豪雨により地盤が緩んでいる中四国での、さらなる土砂災害の注意を勧告した。
安倍晋三首相はこの日、西日本豪雨の非常災害対策本部会議上で「河川の氾濫や土砂崩れに厳重な警戒が必要だ。最新の気象・災害情報に注意し、早めの避難を心掛けてほしい」と国民に呼び掛け。豪雨の際には対応を一部で批判されたこともあり、今回は迅速な動きを見せた格好だ。
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また西日本に来るのか…
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