<西日本豪雨>し尿処理できず「水や食事我慢」 愛媛・大洲
- 政治・経済
- 2018年7月16日
肱川(ひじかわ)が氾濫して甚大な被害が出た愛媛県大洲市では、し尿処理施設が被災し、汚水処理が1週間以上できない状態が続いている。家庭の汚水槽の容量も限界に近づいており、被災者からは「排せつのことを考え、水や食事も我慢している」と深刻な声が聞かれる。
大洲市など2市2町でつくる衛生事務組合が運営する処理施設「清流園」は、下水道が普及していない約5万8000人分のし尿や浄化槽汚泥を処理している。施設は同市米津の肱川沿いにあり、今月7日の氾濫で管理棟と処理棟が150センチ近く浸水。地下のポンプは水をかぶって故障し、バキューム車で集めたし尿をためる水槽も満水になって使えなくなった。
くみ取り式トイレを使う家庭では、衛生状態が悪化しかねない状況だ。同市の野間妙子さん(71)は「自宅の汚水槽の余裕がなくなってきたが、くみ取り業者に電話がつながらない」と話す。簡易水洗式の場合、断水で汚物を流す水もないという。一方、同市内の業者は「トイレが流れないなら水も飲まない、何も食べないという人がいる。ただ、汚水の引受先がない以上、回収にはうかがえないとしか言えない」と悩む。
清流園によると、施設の水槽から排水して汚水を受け入れるまで2カ月かかり、浄化設備の復旧については今年度中の再開が見通せないという。園では近隣自治体の施設に汚水を車両で運んで処理を依頼するなどしており、他施設との調整を急いでいる。
一言コメント
いつまでこの状態が続くのか…
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