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“復興の光”東京五輪の聖火リレーは福島から出発


2020年東京五輪・パラリンピック調整会議が12日午前、都内で行われ、東京五輪聖火リレーの出発地点を福島とし、開始日は20年3月26日と決定した。大会組織委員会の森喜朗会長が提案し、小池百合子都知事、鈴木俊一五輪相ら関係団体のトップが集まる同会議で了承された。

会議冒頭で森会長は「復興五輪の位置づけを強く意識して検討を進めてきた。そのため聖火リレーに先立って東日本大震災の被災3県で実施する『復興の火』の展示という特別な取り組みを行うとともに、被災地などを丁寧に回り、移動日を加えた121日間という長いリレー期間を確保しました。これらに加え、出発地についても被災県の1つである福島県とする案を決定させていただきたい。2020年3月26日、福島県でスタートした後は、3月、4月とまだ寒さが残りますから、まず南に向かい5月上旬に沖縄県で実施した後は北上し、6月中旬には北海道に達する。その後は岩手に入り、宮城、静岡など、競技会場を持っていただいている県を回り、最後に東京都に入ります」と語った。

会議に参加した吉野正芳復興相は「大変感激し、感謝申し上げたい。このことによって被災地の皆さまも大変喜ばれると思う。福島県が出発地となり復興の大きな弾みになる。まさに復興五輪の象徴となる」と喜んだ。吉野氏の地元は、東京電力福島第1原発事故の影響を大きく受けた、双葉郡といわき市。

被災3県の中で福島を出発地とした理由を組織委の布村幸彦副事務総長は「『復興五輪』を重点的に考えた。現時点で避難者の数が最も多い。津波に加えて原子力発電の被災もある。我々の五輪聖火リレーの『希望の道をつなごう』というコンセプトがあって、その思いの中には復興の一助になればという願いも込めてある。困難を乗り越えられる力、不屈の精神を全国へに受け継いでいく聖火リレーにしたいとの思いがあり、福島にグランドスタートを担っていただきたいと考えた」と語った。

被災3県の県内外避難者は福島で4万5208人、宮城で1万25人、岩手で7428人(復興庁調べ、6月14日現在)。福島を3日間回った後は栃木、群馬と南下し、沖縄で折り返した後は北上し、再び北海道で折り返して南下、7月10日に開催地東京に入る。開会式の同24日にはついに新国立競技場に聖火がともる。

リレー日数は一般道府県が2日間、被災3県と複数の競技会場がある千葉、神奈川、埼玉、静岡は3日間、開催地の東京は15日間が配分されていた。聖火リレーには多くの車列が必要で、鹿児島−沖縄間などはフェリー移動となる。その移動日は7日間を確保し、リレー総日数は121日間となった。

一方で被災3県の内、岩手、宮城は39、40番目となった。被災地の新聞社からは「福島を被災3県を代表する象徴的存在との捉え方で良いか」との質問も出た。布村氏は「被災3県に(標準より1日多い)3日間の日数を取った。福島は現時点での避難者の数が最も多く、ご苦労をされている。季節的に比較的温暖な太平洋側を南に下った方が良いということも含め、福島を出発にした。いずれかという比較ではないつもりです」と説明した。

被災3県については、ギリシャから採火された聖火をリレー本番前に巡回展示する「復興の火計画」が既に決まっており、「復興の火も3県、同じ日数で調整している」と理解を求めた。同計画の詳細は調整中だが、3県のいずれかにギリシャからの聖火が到着し、らんたん、もしくは聖火皿に火を移して、被災地の市民に先行してお披露目する。その火を種火とし、リレー本番へとつながっていく。

各都道府県内のコースは各自治体が設置する「聖火リレー実行委員会」が計画する。それを組織委が集約し、国際オリンピック委員会(IOC)の了解を得て、正式決定となる。コース発表は来春〜夏ごろになる見通し。布村氏は各実行委に「特色あるルートを考えていただきたい」と求めた。

47都道府県のリレー順と期間は以下の通り。

<1>福島(3月26〜28日)

<2>栃木(3月29、30日)

<3>群馬(3月31日〜4月1日)

<4>長野(4月2、3日)

<5>岐阜(4月4、5日)

<6>愛知(4月6、7日)

<7>三重(4月8、9日)

<8>和歌山(4月10、11日)

<9>奈良(4月12、13日)

<10>大阪(4月14、15日)

<11>徳島(4月16、17日)

<12>香川(4月18、19日)

<13>高知(4月20、21日)

<14>愛媛(4月22、23日)

<15>大分(4月24、25日)

<16>宮崎(4月26、27日)

<17>鹿児島(4月28、29日)

〜フェリー移動(2日間)〜

<18>沖縄(5月2、3日)

〜フェリー移動(2日間)〜

<19>熊本(5月6、7日)

<20>長崎(5月8、9日)

<21>佐賀(5月10、11日)

<22>福岡(5月12、13日)

<23>山口(5月14、15日)

<24>島根(5月16、17日)

<25>広島(5月18、19日)

<26>岡山(5月20、21日)

<27>鳥取(5月22、23日)

<28>兵庫(5月24、25日)

<29>京都(5月26、27日)

<30>滋賀(5月28、29日)

<31>福井(5月30、31日)

<32>石川(6月1、2日)

<33>富山(6月3、4日)

<34>新潟(6月5、6日)

<35>山形(6月7、8日)

<36>秋田(6月9、10日)

<37>青森(6月11、12日)

〜フェリー移動(1日間)〜

<38>北海道(6月14、15日)

〜フェリー移動(1日間)

<39>岩手(6月17〜19日)

<40>宮城(6月20〜22日)

〜高速道路移動(1日間)〜

<41>静岡(6月24〜26日)

<42>山梨(6月27、28日)

<43>神奈川(6月29日〜7月1日)

<44>千葉(7月2〜4日)

<45>茨城(7月5、6日)

<46>埼玉(7月7〜9日)

<47>東京(7月10〜24日)

 

一言コメント
近くに来たら仕事サボって観に行こう!


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