高校生給付金2割増 政府方針、低所得世帯第1子 新年度から
- 政治・経済
- 2017年3月8日
政府は、低所得世帯に教育費を支援する「高校生等奨学給付金」について、新年度から市町村民税非課税世帯(年収250万円未満程度)の第1子に対する支給額を年額1万6300~1万6800円引き上げる方針を決めた。多子世帯を手厚く支援するため、第2子以降と比べて第1子は半額程度の支給額にとどまっていたが、政府は「子どもの貧困対策」の一環として2割超の増額を決めた。2015年度の九州7県の給付金受給率平均は18・0%。全国平均の12・8%を大きく上回っており、九州の子育て世帯が厳しい経済状況にあることが浮き彫りになった。
非課税世帯の支給額は、16年度は国公立学校(全日制)の場合、第1子が年額で5万9500円、第2子以降が12万9700円。私立(同)は第1子が6万7200円、第2子以降が13万8千円だった。
政府は第1子に対する支給額を15年度から段階的に引き上げてきたが、支援はまだ不十分と判断し、新年度は国公立は1万6300円増額して7万5800円、私立は1万6800円増額して8万4千円とすることを決定。国会で審議中の17年度予算案に給付金の支給費として本年度より5億円多い136億円を計上している。
安倍晋三首相は、今国会の施政方針演説で「誰もが希望すれば高校にも専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければならない」と強調していた。
文部科学省によると、15年度の九州7県の受給者数は4万5705人。県別の受給率は高い方から、宮崎19・9%▽長崎18・8%▽熊本18・7%▽福岡17・9%▽佐賀17・6%▽鹿児島17・4%▽大分16・3%。すべての県で全国平均を上回った。14年度も受給率の全国平均が13・1%だったのに対し、九州7県の平均は18・4%に上っていた。
西日本新聞
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