JT、年内に加熱式2製品投入へ 成長市場先行のライバル2社への巻き返し図る
- 企業・経済
- 2018年4月2日
日本たばこ産業(JT)が年内にも、加熱式たばこの新製品2種を投入する計画であることが1日分かった。国内たばこ市場の約2割まで成長している加熱式市場で先行するライバル2社への巻き返しを図る。
昨夏に本格発売した「プルーム・テック(PT)」の販売地域を9月までに全国拡大し、続いて2タイプの製品を投入する。新製品の一つはPTの第2弾の位置付けで、本体の電池や、たばこ葉を加熱する蒸気となるリキッド(液体)の容量を増やして煙量感を高める。たばこ葉を詰めた専用カプセルは現行品と共通で、ユーザーの好みで本体を使い分けられる。
もう一つは、紙巻きたばこ状のたばこスティックを本体に差し込んで加熱する仕組み。米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」や、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「グロー」と同様の「高温加熱型」にする。
JTの寺畠正道社長は2月6日の決算発表会見で「PTは蒸気の温度が約30度と低く、『吸いごたえが弱い』との声もある」と述べ、新たに高温加熱型を売り出す考えを示していた。
新製品2種はそれぞれ、10月に行われる加熱式たばこの増税後、市場動向をみながら来年初頭にかけての市場投入を検討している。
日本たばこ協会によると、紙巻きたばこの昨年一年間の販売数量は前年比13%減の1137億本と大幅に落ち込んだ。多くの喫煙者が、健康や周囲に与える影響の比較的小さい加熱式へと雪崩を打っている。
加熱式で先行するPMIは2016年末時点で本体を300万台販売、BATも今年1月に200万台を超えたが、発売の遅れたJTは昨年末時点で100万台と、市場の主導権を奪われている。加熱式のシェア40%を目指すJTは商品開発や生産設備に1000億円を投じる方針で、新製品2種によるてこ入れの成否が目標達成のカギとなる。
一言コメント
吸わない人からしたら臭いが少ないから助かる。
コメントする