「国民年金の底上げ」に厚生年金の積立金活用案、年金改革法案から削除へ…厚労省検討
- 政治・経済
- 2025年4月17日
厚生労働省は16日、国会への提出が先送りされている年金改革関連法案で、厚生年金の積立金を活用した国民年金(基礎年金)の底上げ策を同法案から削除する方向で検討に入った。厚生年金受給額の一時的な目減りを伴うため、自民党内から批判が出ていた。17日の党厚生労働部会などの合同会議に提示する。
厚生労働省© 読売新聞
基礎年金の底上げは、年金の受給水準全体を引き上げるために実施するもので、同法案の柱の一つと位置づけられていた。しかし、厚生年金の積立金を財源に充当するため、厚生年金の受給水準が現行制度よりもいったん低下する。このため、「『厚生年金の流用』と非難される」などとして、同党内から底上げ策の見送りを求める声が出ていたほか、労働団体も修正を要望していた。
今回の見送りで現行制度が継続し、「マクロ経済スライド」と呼ばれる年金額の伸びを抑制する仕組みが残る。同省は厚生年金については、この抑制幅を軽減する措置を法案に盛り込む方向で調整している。
法案の国会提出をめぐっては、夏の参院選への影響を懸念する参院自民党を中心に慎重論が根強い。同党は、こうした意見を聞きながら、法案審査など党内調整を続ける方針だ。
読売新聞社より転用

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