トランスジェンダーの軍人を禁止する大統領令、米連邦地裁が差し止め
- 国際
- 2025年3月20日
(CNN) 米連邦地裁は19日までに、トランスジェンダーの軍人を禁止する大統領令を無期限に差し止めた。今月中に発効予定だった禁止令は執行できなくなる。トランプ大統領が1期目から復活させた物議を醸す政策は大きな敗北を喫した。
バイデン前大統領によって任命されたレイエス判事は、禁止令について「敵意に染まり、口実にあふれている。その言葉はあからさまに侮辱的で、その政策はトランスジェンダーの人々に本質的に不適格との烙印(らくいん)を押し、その結論は事実とはまったく関係がない」と断じている。
判事は「何千人ものトランスジェンダーの軍人が、軍の禁止令が彼らから奪おうとした平等な保護の権利を他の人々に保証するために命を危険にさらしながら犠牲を払ってきたことは残酷な皮肉だ」とも述べている。
政権が控訴する猶予を与えるため、この仮差し止め命令は21日午前まで一時停止されるという。
この判決は、禁止令により除隊させられることになるトランスジェンダーの現役軍人らが起こした訴訟で下された。判事は、禁止令は憲法で認められている権利を侵害しているという原告らの主張が認められる可能性が高いことを示したと述べた。
トランプ氏は就任後まもなく、国防総省にトランスジェンダーの軍人は兵役に適さないとする独自の方針を実施するよう指示する大統領令に署名した。政府は、トランスジェンダーの人々が米国で兵役に就き続けることを認めることは、とりわけ軍の殺傷力、即応性、一体性に悪影響を及ぼすと主張していた。
判事は「被告らは、すべてのトランスジェンダーの兵士を禁止する正当な理由を示していない」と断じた。
国防総省は先月末、トランプ氏の大統領令を実施する指針を発表。新たな方針下で特定の要件を満たさないトランスジェンダーの軍人について除隊させるとしていた。
CNN.co.jpより転用

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