凍り付いたロシアに春来るか…韓国の石油化学・自動車・家電業界に期待感
- 国際
- 2025年3月12日
第2次世界大戦後の「ライン川の奇跡」(西ドイツ)、韓国戦争(朝鮮戦争)後の「漢江(ハンガン)の奇跡」(韓国)。戦争をした国は終戦後に「奇跡」と呼ばれる経済復興を期待する。トランプ大統領の圧迫で終戦を期待するロシアとウクライナでも再建と経済復興が可能だろうか。現地で事業機会を求める韓国の石油化学、自動車、IT、建設業者の期待も大きくなっている。
ルビオ米国務長官は10~12日にサウジアラビアを訪問し、ウクライナ戦争終戦と、米国とウクライナの鉱物協定をウクライナ代表団と協議する予定だ。ルビオ国務長官はトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の先月28日の首脳会談が決裂したことにともなう不和を縫合し、終戦交渉で突破口を見いだすために急派された。ゼレンスキー大統領はサウジ到着後、Xに「(米国との会談で)現実的な結果が出ることを希望する。ウクライナの立場は完全に建設的」と投稿し終戦への期待感を示した。
韓国の産業界に及ぼす影響も注目される。半導体と自動車に次いで韓国の輸出品目「ビッグスリー」に挙げられる石油化学業界の期待が大きい。ロシアが石油埋蔵量世界8位、天然ガス埋蔵量1位だからだ。戦争期間中にロシアの価格が安いナフサはほとんどが中国に流れて行った。ナフサはプラスチックやゴムなど石油化学製品を作る時に必要な基礎原料だ。ハナ証券のユン・ジェソン研究員は「終戦でロシアに対する国際制裁が解除される場合、韓国の石油化学企業もロシア産原料を安く調達できる。(終戦後ならば)韓国も中国と石油化学原価競争ができるだろう」と期待した。
人口1億4000万人に達するロシア市場自体も魅力的だ。ロシア市場が再び開かれる場合、直接恩恵を得られると期待する韓国企業のひとつが現代自動車だ。韓国貿易協会によると、戦争直前である2021年の韓国のロシア向け自動車輸出の割合は25.5%に達した。同年のロシアの自動車販売順位でロシア企業ラーダの35万714台に続き起亜が20万5801台、現代自動車が17万1811台でそれぞれ2位と3位を記録するほど善戦した。
このため現代自動車が2023年に撤退したロシア市場に再進出するだろうという見通しも出ている。ただ、2023年にロシア企業に売却したサンクトペテルブルク工場を再び買い戻すためにはロシア政府の承認と価格再協議を経なければならない。
家電業界も期待が大きい。戦争前までサムスン電子とLGエレクトロニクスはロシア市場でそれぞれスマートフォンと家電で1位のメーカーだった。戦争後に現地工場の稼動を中断すると、サムスン電子のスマートフォン市場でのシェアは2%台に急落した。家電市場でLGの穴は中国とトルコの企業が埋めた。終戦にともなう反騰を期待する理由だ。
ウクライナ再建事業にともなう好材料も期待する。先月韓国土地住宅研究院が出した報告書「ウクライナ再建事業進出に向けた戦略策定研究」によると、終戦後にウクライナの住宅、基盤施設、産業施設などの再建に4863億ドル(約70兆円)がかかる見通しだ。沈滞した建設業界に新たな収益源になるかもしれない。戦争期間中に現代建設はウクライナのボリスピリ国際空港公社と空港再建事業に向けた業務協約(MOU)を、サムスン物産はウクライナのリビウ市とスマートシティ開発協力MOUをそれぞれ結んだ。
ウクライナの財政状況が悪い点は変数だ。再建費用を独自に調達しにくいだけに不確実性が大きい。
韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチャン・サンシク院長は「過去のイラク再建事業に照らしてみると、工事遅延と未収金発生、プロジェクト中止などがあるかもしれない。事業不確実性を減らすためにも政府が終戦後早く動いて再建事業の安全弁を用意しなければならない」と話した。
中央日報日本語版より転用
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