トヨタ、欧州向けEV3車種発表 市況見極め、テコ入れへ
- 政治・経済
- 2025年3月12日
トヨタ自動車は12日、欧州市場に新たに投入する電気自動車(EV)3車種を発表した。トヨタの欧州の新車販売に占めるEVの割合は現在数%にとどまるが、新車種でテコ入れを図り、2026~27年ごろに2割程度まで引き上げるとした。
今回発表したのは、26年末までに欧州市場に投入するとしていた6車種のうちの3車種で、いずれもスポーツタイプ多目的車(SUV)の「bZ4X」、「C-HR+」、「アーバンクルーザー」。C-HR+は同モデルでは初のEVで、最大充電時に600キロの走行が可能。bZ4Xの新モデルは航続距離を延ばし、従来よりも最大2倍のスピードで充電できるようにした。アーバンクルーザーは昨年末に発表したばかりだ。高級ブランド「レクサス」のEVの新モデルも発表した。25年中の発売を予定する。
欧州を拠点とする「トヨタモーターヨーロッパ」の中田佳宏最高経営責任者(CEO)は、6日にブリュッセルで開いた報道機関向けの発表会で、「我々がEVに対し力と情熱を注いでいることが分かってもらえるはずだ」と意気込んだ。
気候変動問題が深刻化する中、欧州連合(EU)は35年にガソリン車の新車販売を原則禁止する方針で、走行時に温室効果ガスを出さないEVを重要視する。
ただ、足元ではドイツをはじめとする欧州の自動車メーカー各社はEV市場の減速で経営不振に陥っており、EVへの過度な傾倒からの揺り戻しも起きている。
中田氏も充電インフラの未整備などから「EV普及の速度は弱まっていることも事実」と指摘した。今後の市況を慎重に見極めるとともに、従来どおり、水素など複数の脱炭素技術の導入を並行して進めると強調した。
毎日新聞より転用
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