「ロマンス詐欺」容疑でナイジェリア国籍男女11人逮捕の背景…昨年の被害額は1日約3.5億円!
なかなかの被害額だ。日本の男女14人から計約1億5000万円を詐取したとして、警察庁は今月18日、ナイジェリア国籍の男女11人を現地警察が逮捕したと発表した。容疑者たちはフェイスブックなどのSNSを通じて被害者らと接触し、恋愛感情などを抱かせ出資や投資と称して金銭をだまし取っていたという。
「恋愛感情や親近感などを利用して金銭を詐取するいわゆる“ロマンス詐欺”は、西アフリカのナイジェリアが発祥だと言われています。被害者らの多くは、SNSを通じて容疑者と複数回のやりとりを得た後、“結婚のための費用がいる”などと言葉巧みに金銭をだまし取られています。同様にSNSを通じて対面することなく相手を信用させ、投資、出資金名目などで金銭を詐取するSNS投資型詐欺も横行しています」(社会部記者)
警察庁によると、2024年の「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害額は1268億円と前年比178.6%と急増。1日あたりの被害額は約3億4600万円にも上る。
■現地警察に情報提供
「そのような状況を鑑み、警察庁は昨年4月からインターポール(国際刑事警察機構)の主導する国際オペレーションに参画し、国際共同捜査を行っています。今回、22年から23年にかけ、日本で発生したSNS型投資・ロマンス詐欺を捜査・分析したところ、被害金がナイジェリア人名義の暗号資産アカウントに送金されている事実が判明。ナイジェリア警察に情報提供を行いました」(同前)
これを受け、現地警察は詐欺事件に関与したとされるナイジェリア国籍の11人を詐欺容疑で逮捕するに至ったのだ。
「ロマンス詐欺は国境を超えて犯罪が行われていることから、海外の捜査機関との連携は不可欠です。警察庁は西アフリカを中心とした組織的犯罪グループが同様の犯罪を繰り返していると見ており、今後も海外捜査機関と連携し、捜査、実態解明を進める方針です」(同前)
甘い言葉に決してだまされてはいけない。
日刊ゲンダイDIGITALより転用
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