詐欺容疑で浜松の巡査長を逮捕 口座を不正開設、数百万円の詐欺被害の金を入金 FXで借金か
他人に使わせる目的で預金口座を開設し、キャッシュカードをだまし取ったとして、静岡県警は16日までに、詐欺の疑いで、浜松中央署交通課に勤務する巡査長の男(27)=浜松市中央区有玉南町=ら2人を逮捕した。県警監察課によると、巡査長の口座には開設直後、複数人からの数百万円の振込入金が確認されていて、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害金だった。県警は口座などが悪用されたとみて、巡査長が複数の事件に関与した可能性も視野に調べを進める。
巡査長とともに逮捕されたのは、アルバイト運転手の男(27)=磐田市上新屋=。逮捕容疑は共謀して2024年7月12日、浜松市内で、第三者に使用させる目的で、金融機関に巡査長名義の普通預金口座の開設とキャッシュカード発行の申し込みをして口座を開設させ、同19日にキャッシュカード1枚の交付を受けた疑い。
口座は自宅からインターネットで開設した。巡査長は今回明らかになった口座以外の複数の口座も、近接した時期に開設していたとされる。巡査長は外国為替証拠金取引(FX)などで借金を抱えていたとの情報もあり、県警が動機などを解明する。
監察課によると、巡査長は16年4月に警察官となり、21年10月に浜松中央署に配属された。これまでに交通と地域部門で勤務し、専門的な犯罪捜査に携わった経歴はない。
SNS型詐欺などのグループが近年、ネット上で口座やカードの提供などを募り、悪用する手口は主流とされる。巡査長の口座には全国規模の詐欺事件の被害金が入金されていた。
日吉知洋警務部長は「警察職員がこのような事案を起こし誠に遺憾。被害者と県民に深くおわびする。事実関係を調査の上、厳正に対処する」とコメントした。
静岡新聞社より転用
コメントする