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日本「アニメ」が世界を食らう 韓流・ハリウッド“頭打ち”で 超一流VCも“太鼓判”


近年、世界的に注目を集める日本のアニメ産業。その輸出額は2022年に1.5兆円を突破し、「Anime Is Eating the World(アニメが世界を食らう)」と評されるほど、その存在感を高めています。

アニメだけでなく、VTuberやゲームを含む二次元文化全体が「Anime」として認識され、グローバル市場で急成長を遂げる中、日本が生む多様なコンテンツがどのように評価されているのか。そして今後どのように発展していくのか。

本記事では、日本文化が世界を席巻する背景を深掘りし、アニメ市場の可能性と未来像を探ります。ジブリからVtuber、さらにはJ-POPとの融合まで、エンタメ社会学者・中山淳雄さんがその展望について議論します。

<東京ビジネスハブ>

TBSラジオが制作する経済情報Podcast。いま注目すべきビジネストピックを、音声プロデューサーの野村高文をナビゲーターに週替わりのプレゼンターと語り合います。

世界的VCも評価する現在のアニメ文化とは

野村:

世界的ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツがこのほど“Anime Is Eating the World”(アニメが世界を食らう)というタイトルの記事をアップしました。

ジャパニーズアニメの海外への輸出は毎年増加していて、2022年にはおよそ1兆5000億円規模になっているということです。

特にアンドリーセン・ホロウィッツのような超一流ベンチャーキャピタルは、どこにお金が流れていて、そのどこがビジネスとして有望なのかというのをずっと見ている団体ですよね。それが今アニメへ、という風潮なのでしょうか。

中山:

そうなのです。半年前も実は内々でアンドリーセン・ホロウィッツの方が日本に視察へ来られていたのですよね。

僕も日本側で受け付けたVC担当から聞いたのですが、今何が熱いかというと「ホロライブ」だろうと。Vtuberを見ているのだと感じました。

彼らが考える「Anime」は、日本人が考える「アニメ」とちょっと違います。

VTuberから始まりアニメもあるし、「モンスターハンター」などのゲームも含めた、日本の二次元的なコンテンツは全部を含めて「Anime」と呼んでいます。

それらの日本発のコンテンツが、Anime Is Eating the World。つまり世界を食らっているということでしょうか。

1.5兆円に留まらない?アニメが日本の一大産業となる可能性も

中山:

日本のアニメの海外輸出額が1.5兆円規模と紹介されましたが、自動車産業などの数十兆円規模と比べると大きくないです。

「1.5兆円輸出だ!」って日本は言っていますけど、実はハリウッドから見るとそんなサイズには収まらないはずです。

ハリウッドでは2022年秋くらいからずっとストライキをやっていましたし。

野村:

ハリウッドの俳優たちによるストライキですね。

中山:

そうです、ハリウッドタイトルはこの1年本当に調子悪く落ちました。タイトルも3分の2ぐらいの本数になってしまいました。

映画が作れない、その中で日本のアニメが存在感を高めている状況は、1.5兆円とはいえ、もっと成長するのではと考えています。

僕が調べたところ、アンドリーセン・ホロウィッツは2011年に“Software Is Eating the World”(ソフトウェアが世界を食らう)と言っていて、彼がそう予言したときSaaSの規模は1. 5兆円ぐらいでした。

野村:

ソフトウェアがそんな時代があったのですか。

中山:

AWSがお目見えする前ぐらいです。GoogleやMicrosoftAzureなどが台頭して、結果として30兆円に成長したんです。

野村:

すごい。これは夢がある話ですよ。

中山:

今1.5兆円ぐらいの日本のアニメの輸出額がそれくらいになると推測されるインパクトを含めて、この”Anime Is Eating the World”の記事は僕の衝撃でした。

野村:

いやすごいですね。1.5兆円規模が30兆円規模の産業に成長するとこれは日本の一大産業になりますね。

ターニングポイントは2013年?日本アニメの海外進出のきっかけとは

野村:

今、世界を食らうと評されるぐらい日本のアニメに注目が集まっている背景としては、何かありますか。

中山:

動画配信が一番わかりやすいです。実は明確にコンテンツが増えてきたタイミングがあります。2013年です。

野村:

2013年ですか。

中山:

2012年までは5年ぐらいずっと、何度かアニメのブームがありました。海外における日本アニメブームですね。

「涼宮ハルヒ」シリーズが注目された時代はパッケージが売れていました。日本のアニメ会社が2000年~2006年ぐらいから出てきたときに、3000~4000億円規模まで成長しました。

それがなくなってしまって、2000億ぐらいの規模で5年ほど低調だったのが2008年ぐらいからです。

「やっぱり海外で日本アニメが流行るのは1個の夢だったね」というイメージです。

それが2013年にポンと2000億から2800億くらいになりました。

ここから勢いが止まらず、毎年上がっていって1.7兆円までワーッと上がり続けました。野村さん、2013年に何があったと思いますか?

野村:

なんでしょう。10年以上前ですよね。

中山:

『進撃の巨人』が2013年アニメ化したぐらいがちょうどいいプッシュになったと思います。

実質は2006年からあったCrunchyroll(アメリカの動画ストリーミングサービス)が、2009年ぐらいに『NARUTO』を正式配信しました。

中国でも2011年ぐらいに「土豆」(Tudou)や「bilibili」などが正規配信したのが2011~12年ぐらいです。

2013年は正規版でようやくみんな出そろって動画配信を始められた。

スマホが普及したタイミングも日本を含めて2012~2014年です。

モバイルファーストの動画配信がサブスクで月10ドルみたいなのがあるコンビネーションになったときに、作品も『NARUTO』や『進撃の巨人』『Re:ゼロから始める異世界生活』などが出てきました。

あの辺りっていろいろ良いタイトルが詰まっているので、そこから日本のアニメが一気に上がりました。

更に深掘りすると、2016年のVR元年があって「キズナアイ」などVtuberの原型ができましたが、明確にVTuberが入ってきたのは2020年です。

ホロライブと、ANYCOLORの「にじさんじ」が出てきました。

アメリカからの見え方で言うと「2010年代後半アニメ結構来ているな。『僕のヒーローアカデミア』も出てきたし、Vtuberも出てきた。これって何だろう、やたら全部2次元系だな」という印象です。

アンドリーセン・ホロウィッツの中だと『君たちはどう生きるか』とかジブリもひとつのファンタジーを根づかせた大きな作品であるような議論もされました。

我々からすると、アニメやゲーム、VTuberが全部合わさって、「日本のアニメ」が盛り上がっているっていうことだと僕は理解しています。

野村:

そうすると2013年にモバイルファーストとその配信の土壌が整っていたっていうことがあり、そこに元々あった名作アニメが供給されていたわけですね。

そこから2020年代にはそのVRが来て。最新のアニメも世界的ヒットするものがいくつか現れ、広まっていったことですか。

アニメだけじゃない!J-Cultureの多様性とは

中山:

伸び続けた驚きは他にもあります。K-POPが実は1年ぐらい前から伸びています。

2018年ぐらいから「BTS」がありました。K-POPとK-ドラマも。『イカゲーム』や『愛の不時着』も。結構韓国も来ていたので、韓国と日本がすごく来ている風潮の中、韓国が止まったタイミングが2023年です。

野村:

韓国の勢いが止まっているのですね。

中山:

パターン化しすぎてちょっと飽きたという状況です。そんな中、突然、藤井風を聞き出すアメリカ人が続出しました。

あとは「真夜中のドア」が流行ったとか。あのとき急にアニメだけじゃなくてJ-POPも流行りました。

2023年はちょうど「推しの子」と「アイドル」が出てきました。アニメと音楽のハイブリッドも出てきました。

いろいろ話題が話題を呼んで、アニメだけだったはずが、J-POPの音楽も来ています。

そしたら今度は実写の「ゴジラ-1.0」がすごく流行したというのが2024年の頭です。

僕はAnime Is Eating the WorldのAnimeにいろいろなものが代入できると思います。

結果 J-culture Is Eating the Worldと言っていいぐらい、裾が広くなっていることが驚きの部分です。

2023~2024年は「Anime Is Eating the World」が何を表しているかというと、日本と韓国が上がってきていたが、韓国は止まる一方、日本のアニメが上がり続けて、更にハリウッドがどんどん落ちてきた状況です。

また、韓国では「藤井風」や「imase」が聴かれたりしたのですが、実は韓国人自身が韓国のアーティストを覚えられなくなったという話も聞こえてきます。

野村:

そうなんですね。韓国の方ですら、自国が出てくるものが覚えられなくなったのですね。

中山:

似すぎていたのでしょうね。成功モデルに対してキャッチアップの速さ=マーケティング力が強すぎるがゆえに、それに自分たちもやられてパターンのバリエーションが出しにくくなってしまったと。

野村:

すごく面白いですねその話は。別に計算するわけじゃなくて、多様性がいいことだというふうに置いておくと、謎の化学反応がいっぱい生まれてくるみたいなことを日本はしていたのだろうなと思います。

中山:

じゃないと「しかのこのこのここしたんたん」みたいなの出てこないですよね。

日本のコンテンツ産業がもっと巨大になるために必要なこと

野村:

一般化して言うと、日本は組織的にやるとか科学的にある再現性を持ってやるっていうのは比較的あんまり得意じゃない方だと思っています。

中山:

そう思います。

野村:

一方で工夫改善によっていろいろな謎のものが生まれてくることが結構得意な状況で。

それって他の産業でいうと、標準化できていないとか、いろいろ弱点になっていたところが、日本の特にコンテンツ産業の場合は強みに変わりうるっていうことをお話から思いました。

中山:

日本のタイトルはコンスタントに出ますが、超巨大なタイトルは日本資本では起こり得ないです。

そうするとこのAnime Is Eating the Worldを見たという、いわゆる欧米文脈でお金を持っているけど、投資先がわからないという人たちが日本の巨額の案件に対して、「じゃあ『今際の国のアリス』にもうちょっとお金入れてもいいじゃないか」と。

そういった投資が集まり、プレイヤーが変わってくる世界的なアニメ製作委員会みたいなことはできないかなと思います。

野村:

アニメ製作委員会モデルというビジネスモデルと日本には合っていますね。

TBS NEWS DIG_Microsoft より転用


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