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中3が監督の映画が全国コンクール史上最年少で入選…スマホ駆使して父が脚本、母が声で出演


 自主制作映画の全国的なコンクール「ぴあフィルムフェスティバル2024」(PFF)で、大阪府守口市の中学3年東沙優さん(15)が監督、主演を務め、父母と一家3人で作り上げた作品「正しい家族の付き合い方」(17分)が史上最年少の入選を果たした。撮影と編集はスマートフォンを駆使し、身近なものを利用してレベルの高い作品に仕上げた。(中山亨一)

PFFは1977年に始まった歴史のある自主映画の祭典で、その後プロの映画制作者になった入賞者も多い。今年は応募692作品から、最優秀のグランプリはじめ19作品が入選した。東さんは応募2作目で入選に輝いた。

 「正しい家族――」は東さんと父淳郎さん(47)が主演。ホームドラマと思わせながら、ストーリーが急展開する短編作品だ。

 小学3年生で子役として映画に出演し、「ひがし沙優」との芸名で監督、俳優として活動している。自ら映画を作ることに興味がわいたのは、中学生になってからだ。子役から年齢が上がって、俳優として役を得る競争も激しくなってきた時期だった。スマホで様々な動画を楽しむうちに、自分でも制作に挑戦してみたくなったという。「監督やったら?」。淳郎さんも背中を押した。

今回の入選作を含めて、これまでに計9作品を制作。PFFで賞を取ることを目標に、自分も役者をやっていた淳郎さん、かつて声優を目指していた母千晶さん(47)も手伝い、全て東一家で生み出してきた。脚本は主に淳郎さんで、千晶さんは声の出演がメインだ。編集や作品全般の監修は東さんが担う。

 撮影機材は淳郎さん所有のスマホだけ。大きなカメラもマイクも使わなかった。撮影や映像効果は手近なもので工夫した。部屋が大きく揺れる場面は、千晶さんがスマホを揺らした。カメラを滑らかに横に移動させながらの撮影は、おもちゃの車の上にカメラを載せた。エンディングのコマ撮りアニメのシーンは、人形の動きを一コマ一コマ考えながら撮った。東さんは「人形の動きをスムーズにつなぎ合わせるのに苦労した」と振り返る。

 昨年も応募したが、1次審査を突破できなかった。雪辱を期して挑んだ今年は、見事に19本の入選に選ばれた。今月、京都で開かれた入選作を集めた上映会で「正しい家族――」はスクリーンにかかり、「見た人に面白いと言ってもらえて、得るものが多かった」と振り返る。

 東さんは来春には府内の高校に進学予定で、「役者も監督もがんばりたい」と話し、映画制作を続けるつもりだ。

 読売新聞より転用


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