高山善廣、7年4か月ぶり公の場 TAKAYAMANIAに登場「うれしかった。本当は立ち上がりたかったけど」
- スポーツ
- 2024年9月4日
◆「TAKAYAMANIA EMPIRE3」大会(3日、東京・後楽園ホール、観衆1701人)
「プロレス界の帝王」が7年4か月ぶりにファンの前に“降臨”した。
頸髄(けいずい)完全損傷の大ケガとの不屈の闘いを続けているプロレスラー・高山善廣(57)支援を目的とした大会が行われ、メインイベントで高山の盟友・鈴木みのる(56)と柴田勝頼(44)が激突した。
高山は2017年5月4日のDDT大阪・豊中大会でのリング上の事故で負った負傷のリハビリ中で「TAKAYAMANIA」の開催は2019年8月26日の「EMPIRE2」以来5年ぶりとなった。 そして、主役の高山が大ケガを負った大阪のリング以来7年4か月ぶりにファンの前に登場したのは、鈴木と柴田が27分18秒の大激闘を終えた直後のリングだった。
今回の大会のリーダー・鈴木が「高山のためにたくさんのオカネをつぎ込んでくれて、みんなを代表してお礼を言います。ありがとうございました!」と募金に対して頭を下げた後、「今日のスペシャルゲストは高山善廣!」と絶叫。入場テーマ「DESTRUCTIVE POWER」とともに車イスに乗った高山が花道に登場。満場の「高山」コールの中、6人のレスラーの手でロープを外したリング上に担ぎ上げられた。
帝王の7年4か月ぶりの帰還に場内は沸騰。「高山~!」、「帝王~!」の絶叫が交錯する中、その胸に顔を埋め、号泣した鈴木。特別ゲストの武藤敬司さん、小橋建太さんと次々と握手した後、車イスのまま、高山はリング上で鈴木と対峙(たいじ)。「時間無制限1本勝負。赤コーナー・鈴木みのる、青コーナー・帝王・高山善廣」のコールのもと、緊急試合が組まれた。
しかし、「来いよ~!」とファイティングポーズを取る鈴木に高山は柔和な笑みを浮かべるのみ。当然ながら組み合うことはできず、鈴木は「おめえが立てねえなら、この勝負はお預けだ。おめえのことを待っていてやるよ。何が帝王だ。悔しかったら絶対、あきらめるなよ」と憎まれ口を叩きながらも、また、涙を流した。
この言葉に高山はマイクを向けられると観客に向け、「みんな、どうもありがとう」と一言。「行くぞ~! NO FEAR~!」と決めゼリフを口にし、大歓声に包まれた。
バックステージで奈津子夫人が見守る前で取材陣に囲まれた高山は「うれしかった。本当は立ち上がりたかったけど、これだけ盛り上がったのはうれしかった」と本音をポロリ。
「まだ自分の足でリングを降りてないので、また立てるようになって戻ってきたいと思います」と続けると「皆さんにあいさつできたことで、ホッとしてます」と笑顔。
自身のために激闘を展開した鈴木と柴田に対し「本当はアメリカでやりたい2人だろうに、今、このリングでやってくれて、もったいないくらい、ありがたいです」と感謝。
「皆さん、本当にありがとう」と取り囲んだ取材陣ら約30人に礼を言うと、奈津子夫人とともにエレベーターに乗り込んで聖地を後にした。(中村 健吾)
◆「TAKAYAMANIA3」全成績
▽ハードヒットvsハードコアマッチ30分1本勝負
〇鈴木秀樹、葛西純(9分50秒 ダブルアームスープレックス↓片エビ固め)佐藤光留、植木嵩行●
▽帝王降臨30分1本勝負
〇里村明衣子(7分56秒 スコーピオ・ライジング↓片エビ固め)シン・広田さくら改めシン・髙山善廣●
▽チーム300キロ対決30分1本勝負
〇秋山準、石川修司、松本浩代(17分52秒 片エビ固め)井上雅央、橋本千紘、優宇●
▽セミファイナル・タッグマッチ30分1本勝負
〇丸藤正道、男色ディーノ(10分52秒 リップクロス↓レフェリーストップ)浜亮太、菊タロー●
▽メインイベント30分1本勝負
〇柴田勝頼(27分18秒 PK↓片エビ固め)鈴木みのる●
報知新聞社より転用
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