3500年前のかめ、4歳男児が誤って割る イスラエルの博物館
- 国際
- 2024年8月29日
イスラエルの博物館で、展示されていた3500年前のかめを4歳の男の子が誤って割ってしまう出来事があった。
北部ハイファのヘクト博物館によると、割れたかめは、紀元前2200~1500年の青銅器時代にさかのぼるもの。保存状態が良いため、非常に貴重なものだったという。
同博物館は、考古学的発見物を「さえぎるるものなく」展示することに「特別な魅力」があると考えており、このかめもこれまで、ガラスなしで博物館の入り口付近に展示していた。
男の子の父親のアレックスさんによると、息子が「中に何が入っているのか気になって」、「かめを少し引っ張った」ため、かめが落下したという。
アレックスさんはまた、割れたかめの隣にいる息子を見て「ショックだった」と言い、最初は「自分の子がやったのではない」と思ったと語った。
しかし、息子を落ち着かせた後に警備員に事情を話したと、アレックスさんはBBCに語った。
ヘクト博物館によると、数日前にこの出来事が起きた後、この男の子は家族と一緒に再び博物館に招待され、ツアーに参加したという。
同博物館のリヒ・ラズロさんはBBCの取材で、「展示品が故意に破損されるケースもあり、その場合は警察を呼ぶなど厳重に対処している」と話した。
「しかし今回はそういう状況ではなかった。このかめは、博物館の訪問客である幼い子供によって誤って破損されたので、そうした事情に合わせた対応をする」
保存修復の専門家も任命され、かめは「まもなく」元の場所に戻されるという。
父親のアレックスさんは、かめが修復されるのを見れば家族は「ほっとするだろう」と語った。一方で、「同じものではなくなってしまう」のは「残念だ」と付け加えた。
ヘクト博物館はBBCに対し、「可能な限り、展示品は障壁やガラス壁なしで展示されている」と述べ、「今回のようなまれな出来事にもかかわらず」、今後もこの伝統を続けるつもりだとした。
このかめはもともと、ワインやオリーブ油など、この土地の物資を運ぶものだった可能性が高い。
聖書に登場するダヴィデ王やソロモン王の時代よりも前のもので、地中海東岸のカナン地方に特徴的なものだという。
考古学的発掘の際に発見される同様の陶器は通常、発掘された時点で割れていたり不完全だったりする。そのため、この無傷のかめは「印象的な発見」だったと、同博物館は付け加えた。
ヘクト博物館はイスラエル北部のハイファ大学の敷地内にあり、考古品と美術品を収集している。
BBC Newsより転用
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