後継指名されたハリス米副大統領、女性初・黒人初・アジア系初で脚光…実績乏しく民主党内に不安
- 国際
- 2024年7月23日
【ワシントン=田島大志】11月の米大統領選からバイデン大統領(81)が撤退表明したことを受け、民主党は共和党のトランプ前大統領(78)に対抗できる後任選びに入った。バイデン氏が事実上の後継指名をしたハリス副大統領(59)が本命だが、党内が一枚岩でまとまるかどうかは不透明だ。
「トランプを打ち負かすため、民主党、我が国を団結させるために全力を尽くす」。ハリス氏は21日の声明で、党の正式指名を得ることに強い決意を示した。
民主党のビル・クリントン元大統領と妻のヒラリー・クリントン元国務長官は21日、連名の声明でハリス氏の支持を表明した。「今こそハリス氏を支援し、全力を尽くして当選のために闘う時だ」と結集を訴えた。
大統領選まで4か月弱と時間が限られる中、バイデン氏を支えてきた経緯もあり、党所属議員や支持団体の間ではハリス氏での一本化を図る動きが始まっている。バイデン氏が集めた選挙資金もハリス氏への引き継ぎは容易とみられている。
ハリス氏は、上院議員などを経て21年に女性初、黒人初として副大統領に就任した。母親はインド移民でアジア系としても初めてで、就任当初は脚光を浴びた。ただ、移民問題などを担当したバイデン政権では目立った実績に乏しく、国民的な人気は低迷している。
米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」がまとめた、トランプ氏との対決を想定した世論調査の平均支持率は、トランプ氏が43・5%に対し、ハリス氏は38・5%にとどまっている。
バイデン氏の撤退論が浮上する中、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(56)やミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(52)らを推す声も出た。
21日に声明を出したオバマ元大統領も「党が傑出した候補者選びのプロセスを用意できると自信を持っている」としつつ、ハリス氏には触れなかった。党内ではトランプ氏に「勝てる候補」としてハリス氏に対する不安もくすぶる。
党大会直前での撤退は前例がないだけに、後継候補の選出も手探りとなる。
党全国委員会のジェイミー・ハリソン委員長は21日の声明で「団結した党として前進するための透明で秩序あるプロセスに着手する」と表明しつつ、具体的な選出方法は明らかにしなかった。米メディアによると、8月上旬にオンラインで代議員による指名投票を行う案のほか、8月19~22日の党大会の投票で選出する方法などが検討されている。
読売新聞より転用
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