ミサイル直撃のキーウ小児病院、「まさに地獄だった」 院長が証言
- 国際
- 2024年7月12日
ヤロスラフ・ルキフ、BBCニュース
ロシアが発射したとされるミサイルが直撃し、多くの人々が死傷したウクライナ最大の小児病院の院長が9日、「まさに地獄だった」と前日の惨事について語った。
キーウのオーマトディト小児病院のウォロディミル・ゾヴニル院長は9日、国連安全保障理事会にオンラインで参加。「子どもも大人も、恐怖やけがの痛みで悲鳴を上げていた」と述べた。
また、病院には当時、1200人を超える患者と職員がいて、3件の心臓手術を実施中だったと説明。ミサイルの直撃で大人2人が殺害され、子どもを含む300人以上が負傷したとした。
ウクライナは9日、病院に飛来したロシアの巡航ミサイルの破片だとする写真を公開した。
ロシアは病院で起きた爆発について、ウクライナの防空ミサイルの誤射によるものだと主張している。たが国連は、ロシアが攻撃の背後にいた可能性が高いとしている。BBCの取材に応じた専門家らも、同様の結論に達している。
この攻撃には世界各国から非難の声が上がっている。アメリカのジョー・バイデン大統領は、「ロシアの残虐性を恐ろしいかたちで思い起こさせるもの」だと述べた。
米ワシントンで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を開催する立場のバイデン氏は9日、ウクライナの防空体制の強化を約束した。
首脳会議に出席しているウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「ウクライナの防空システムの増強を求めている。(中略)もっと多くの飛行機を求めている」と述べた。
ウクライナでは8日、各地でロシアによるミサイルとドローン(無人機)を使った攻撃が相次ぎ、当局によると合わせて少なくとも46人(うちキーウは33人)が殺害された。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、9日を服喪の日とした。
BBC Newsより転用
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