県立高校のセクハラ173件 「昭和じゃないのに」県教委が調査結果
神奈川県教育委員会は14日、県立学校における昨年度のセクシュアルハラスメントに関する調査結果を発表した。自身や他の生徒がセクハラ被害を受けたとの回答が計173件あり、前年度から38件増えた。
調査は、県立高校や中高一貫の「中等教育学校」の後期課程、特別支援学校の高等部の生徒約11万5千人と教職員約1万5900人を対象に、生徒のセクハラ被害の実態を調べた。
加害者が教員以外のケースもあったが、申告をもとにセクハラ行為をした30人の教員を特定した。被害内容は、性的なからかいや冗談が8件、必要もないのに体を触られたのが9件などで、いずれも軽度だったため、特定した教員には注意したという。
年代別では60歳以上が最多の14人だった。担当者は「昭和と違ってセクハラは時代とともに変わってきていると教員には訴えているが、軽い気持ちで冗談を言ったり触ったりしてしまったこともあるようだ」と話した。
また、県立学校と、横浜、川崎、相模原の政令指定市を除く市町村立学校で昨年度、13件の体罰があったとの調査結果も発表した。前年度から6件増加したという。
県教委によると、体罰は高校と中学校が各6件、小学校が1件。部活中が5件、昼休みや放課後などが4件、授業中が3件、文化祭の準備中が1件だった。調査で把握した1件は、高校で授業中に横を向いた生徒を注意する際に、生徒の頭を教務手帳で1回たたいたといった内容だという。
13件のうち12件は処分が決まっており、2件は懲戒処分となった。いずれも部活動中の体罰で、高校教諭が停職1カ月、中学校教諭が減給10分の1(1カ月)の処分を受けた。(井石栄司)
朝日新聞社より転用
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