特殊詐欺の被害金など700億円資金洗浄、犯罪組織に還流か…容疑で11人逮捕
他人名義で開設した法人口座に詐欺の被害金を入金させたとして、大阪府警は21日、川崎市の会社経営の男(41)ら11人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。府警は、男らが管理する口座に詐欺被害金など700億円の入金があり、多くが海外口座に移されていたことを確認。マネーロンダリング(資金洗浄)を行って犯罪組織に還流させていたとみて実態解明を進める。
他に逮捕されたのは、同じグループの別の男(40)(富山県高岡市)ら。
捜査関係者によると、男らは2021~22年、SNSなどで協力者を募り、協力者の名義で設立させた法人の口座を不正に開設。23年5~6月、別グループによる投資詐欺の被害者から振り込まれた約200万円を複数の法人口座に移し、隠匿した疑い。
男らのグループは、SNSや街頭で「法人を設立し、口座を開設すれば、報酬を渡す」と持ちかけ、実態のないペーパーカンパニーの設立方法や口座開設の手順を指南。約500のペーパーカンパニーと、約4000の法人口座を管理していたという。
府警が23年1~7月の口座の出入金を調べたところ、計約700億円が入金されていたという。特殊詐欺の被害金や違法なオンラインカジノの賭け金とみられ、大半が海外口座に移されていた。府警は、男らのグループが入金額の数%を対価として受け取っていたとみている。
グループは30~40人規模で、うち複数人は既に出国したという。
読売新聞 より転用
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