飲酒運転の市職員が懲戒免れて退職 事故起こした疑いで逮捕 辞職申し出に「総合的に判断」 兵庫・丹波
兵庫県丹波市の会計年度任用職員が1月に飲酒運転で物損事故を起こしたとして、退職願を出し、市が受理していたことが分かった。市の基準では飲酒運転は懲戒の対象だが、市は本人が辞職を申し出たことなどを踏まえ、「総合的に判断をした」と議会で説明した。
市が作成した市議会向け資料などによると、事案は1月18日朝に市内で発生。元職員は車で通勤中に民家の塀などに接触して破損させ、そのまま出勤。その後、早退するため同僚に車で自宅に送ってもらう道中で、事故現場にいた警察官に名乗り出た。同日夕に酒気帯び運転などの疑いで逮捕され、釈放後の同月23日、18日付の退職願を市に提出。同日受理された。
神戸新聞が開示請求で入手した市の「懲戒処分の基準」には「酒気帯び運転をした職員は、免職、停職または減給とする」とあり、このうち免職と停職は人身事故のケースを想定。ただし、処分には「過失の程度や事故後の対応なども情状として考慮する」旨の注釈がある。
3月27日の市議会議員総会で、市総務部は仮に元職員が懲戒処分になった場合でも「おそらく免職には至らない」とし、依願退職は「非常に重たい結果になり、受理することが適当と判断をした」と答弁。処分前に出した退職届は「必ずしも受理されるわけではない。個々の事案を見て、それが許されるかを判断する。今回は許されると判断した」とした。
また元職員について神戸地検柏原支部は3月27日、不起訴(嫌疑不十分)とした。(那谷享平)
神戸新聞NEXT/神戸新聞社より転用
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