響く銃声、夜空に黒煙と炎 平和なコンサート暗転、惨殺現場に
- 国際
- 2024年3月23日
ドスン、ドスン、ドスン。巨大なコンサートホールに鈍い銃声が何度も響いた――。モスクワ近郊で22日夜に発生したテロ事件。現場では火災も発生し、夜空に黒煙が上がった。大勢の人々が詰めかけていた平和なコンサート会場は一転して惨殺の現場となった。
現場はモスクワ中心部から北西におよそ15キロの川沿いにあり、大型ショッピングモールなども隣接する商業地区にある。ロイター通信によると、当時、約6200席あるホールは満席で、人々は旧ソ連時代から活動する人気ロックグループ「ピクニック」の公演が始まるのを待っていた。
SNS(ネット交流サービス)上に投稿された現場の映像によると、茶色っぽい服装にリュックを背負った4人組の男が、ホールの入り口のロビーとみられる場所に乱入。自動小銃のようなものを、その場にうずくまる人やガラスの扉に向けて何度も乱射した。
公演は午後8時からの予定で、銃撃は同7時45分ごろに始まったとみられるという。別の映像では、銃声が何度もホールに響く中、人々が左右を見回しながら避難していた。ロシア紙RBKは「銃撃音が聞こえると、多くの人が一斉に出口に向かおうとして、もみ合いになった」という現場の女性の声を伝えた。
コンサートの警備員の一人は、露メディアに「犯人たちは(外の)通りから銃撃を始め、窓を爆破した。私たち4人は広告看板の裏に身を隠した」と語った。警備員らは警棒しか持っていなかったという。
露メディアの報道では、非常口の一部が施錠されていたために避難が遅れたとの指摘も出ている。
襲撃後、現場のホールは出火し、消防車のほかヘリコプターも駆け付けて消火作業を行った。大きな炎で屋根は焼け落ちそうになった。銃を持った治安部隊が規制線を張り、厳重な警戒に当たった。【モスクワ山衛守剛】
毎日新聞より転用
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