「最終メンバーではない」選抜出場の創志学園、門馬監督が引き締め
- スポーツ
- 2024年3月5日
「今、20名のメンバーが発表されました。厳しいことを言うようですが、これが最終メンバーではありません」
ベンチ外の部員の拍手の中、門馬敬治監督を先頭に入場する創志学園の選手たち=2024年3月4日、岡山市北区の創志学園高校、大野宏撮影 第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)に出場する創志学園(岡山市北区)に選抜旗が授与された4日。うららかな春の陽光が差し込み、7年ぶりの選抜大会への祝賀ムードに満ちていた体育館の空気が、門馬敬治監督の開口一番で一瞬凍った。 壇上の監督は、控え選手の見上げる視線を浴びつつ続けた。「この下にまだ20名ほどいますので、最終選考にはもう少し時間がかかる。ここ(壇上)にいる代表がすべて甲子園の土を踏めるわけではなく、今ここに上がれないものも可能性を秘めている。最後には勝つ集団を作りたいと考えています」
創志学園が最後に甲子園に出たのは一昨年夏。現在の部員に出場経験者はいない。東海大相模(神奈川)を春夏計4度の優勝に導いた監督は「甲子園は高校球児の憧れであり、夢も感動もありますが、非常に厳しい場所だと私は感じています」と続けた。
「憧れや夢の場所で終わってはいけない。自分のホームグラウンドだと思える強い気持ちを持たなければ。でも、彼らにはまだそんな力はない」とした上で、生徒や教員にこう呼びかけた。
「緊張感を克服し、思い切りプレーできるために、ここにいる皆さんの力が必要。甲子園はアルプス席と一体となって戦う場所、我々の力ではまだまだ足りない。背中を押す大きな強い声援をお願いします」
2日に解禁された対外試合では、昨秋の広島県大会準優勝の広島新庄に2日間で3連勝した。それでも「やればやるほど課題が出てくる。大会間近になると選手はどうしても結果を求めるが、自分たちがやれる基本の精度を上げる、その部分を見つめ直す時間になって欲しい」と、選抜旗授与後の取材に話した。
門馬監督にとっては2021年春の選抜を制して以来の大舞台となる。「私自身、初めての甲子園だと感じています。過去は過去。創志学園の一員としてあのユニホームを身にまとい、選手とともに戦っていきたい」
その選手をどう選ぶか改めて問われ、こう答えた。「メンバーに入りたいと戦うのではなく、チームに貢献し、勝つために力を発揮するんだという選手。私自身がこの選手でいきたいと思うと同時に、選手たちがこいつがいなきゃダメだ、こいつと一緒に戦うんだという20人を選んでいきたい」(大野宏)
朝日新聞社より転用
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