松葉づえの遠藤航が初タイトルに「凄く大きい」 カイセドを吹き飛ばし「いかに潰せるかがキー」
- スポーツ
- 2024年2月27日
◇イングランド・リーグ杯決勝 リバプール1―0チェルシー(2024年2月25日 ロンドン)
リバプールの日本代表MF遠藤航(31)が欧州で初めてのタイトルを獲得した。聖地ウェンブリーで行われ、チェルシーとのイングランド・リーグ杯決勝にフル出場し、延長までもつれ込んだ死闘で1―0の勝利に貢献した。リバプールは2季ぶりに最多記録を更新する10度目の優勝を達成した。
「とりあえず良かった。難しい試合になったが。皆でとにかく戦って。若い選手も含めて本当にいいプレーをみんなが見せたと思う。とにかく1つタイトルが取れて良かった。いいプレーを続けていても、評価はされても、結果が求められるチーム。1つしっかり結果を残したのは凄く自分にとっても大きい」
試合中に痛めた左足首をプロテクターで固定し、松葉づえを突きながら取材エリアに姿を見せた遠藤は息をついた。大一番で先発を果たすと中盤の底で奮闘した。前半14分には球際を制してボールをつなぎ、受けたMFマカリテルが鋭いシュートを放った。
その後も中盤での粘り強い守備に加え、前線へのパス供給で存在感。後半2分には左CKからシュートを放つ場面もあった。後半15分には左FKからDFファンダイクがネットを揺らしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入で遠藤がオフサイドと判定される場面もあった。それでも延長を含めた120分に死闘で最後まで出場したリバプールのフィールド選手は遠藤や延長後半13分に決勝ヘディング弾を決めたDFファンダイク主将らわずかに4人しかいなかった。
世界屈指の名門で主力としての地位を確立し「自分がタフにやれるということを証明し続けたからこそ、最後まで使われているんだと思う。若い選手がいるので自分は1年目とか関係なく、経験も含めるとチームを支えなきゃいけない存在だったと思う。主将のファンダイクを含めて一緒にやれたので良かった」と振り返った。
昨夏にシュツットガルトから移籍金1900万ユーロ(約31億円)で加入。ブライトンから獲得寸前だったMFカイセドを1億1500万ポンド(約219億円)、サウサンプトンの成長株ラビアを5800万ポンド(約110億円)をいずれもチェルシーにさらわれた末の補強だった。英国で日本代表主将の知名度が低かったこともあって加入当初は地元メディアやファンから懐疑的な見方もされたが、リーグ杯や欧州リーグなどカップ戦が実績を積み上げて昨年12月から日本代表のアジア杯出場による離脱期間を除けば公式戦12戦連続の先発として主力に定着した。
「(最初は)カップ戦要員とか言われたりしたけど」と苦笑した遠藤。一方で「カップ戦に出ること自体も簡単なことではない。そこで結果を残し続けることも。しっかり出て結果を1つ残したっていうのは大きい」と指摘し「カップ戦に出る選手も含めてチーム。結果を残し続けた選手たちがいろいろメンバーを替えながらやって結果を残し続けたからこそ、この結果があると思う」と胸を張った。
スポーツニッポン新聞社より転用
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