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「辺野古移設は危険性除去につながらず」 沖縄・玉城知事の「民意」のよりどころは5年前の県民投票


米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について賛否を問う県民投票が行われてから5年となった24日、沖縄県の玉城デニー知事は「圧倒的多数の辺野古埋め立てに反対する県民の民意が明確に示された」と振り返り、「辺野古移設では普天間飛行場の一日も早い危険性の除去にはつながらない」とするコメントを発表した。

平成31年2月24日に実施された県民投票では、移設「反対」が有効投票の7割を超え、玉城氏が初当選した30年9月の知事選で自身が獲得した約39万票を上回った。

玉城氏はコメントで「政府は県民投票で示された民意を一顧だにせず、埋め立て工事を強行した」とし、政府が昨年12月、移設反対の県に代わり工事の設計変更を承認する「代執行」に踏み切ったことを批判。政府に対し「対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く訴える」と強調した。

ただ、県民投票では全有権者のうち48%が棄権しており、6割以上が明確に「反対」の意思を示さなかった。投票所に足を運んで「反対」したのは有権者全体の38%で、移設先の辺野古地区も経済振興や地域活性化を期待して容認している。

県民のこうした多様な意見をよそに、玉城氏は移設反対派が当選した直近3回の知事選や5年前の県民投票で反対票が多数を占めたことを根拠に、「民意こそが公益」として司法判断にあらがい続けてきた。

玉城氏はコメントで「辺野古新基地建設阻止、普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、県外、国外移設および早期閉鎖・返還を求めていく」とした。

しかし、辺野古移設を巡る訴訟で県側敗訴とした昨年12月の福岡高裁那覇支部判決は県に対し、普天間飛行場の危険性除去が早期に実現せず、「甚だしく社会公共の利益を害する」と断じた。

5年前の「民意」を盾に、司法の最終判断をも拒絶する玉城氏の姿勢は、法治主義を軽視し、民意を絶対視する風潮をも招きかねないとの批判もある。

沖縄の米軍基地は日米同盟の抑止力の要だが、国の安全保障が玉城氏の言う「民意」によって大きく左右されているのが現実。安全保障環境が厳しさを増す中、南西地域の防衛体制強化にも影響を及ぼしかねない事態となっている。(大竹直樹)

産経新聞より転用


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