大の里、新入幕で勝ち越し一番乗り! ”相撲の神様”大関・大ノ里の命日に決めた【大相撲初場所】
- スポーツ
- 2024年1月23日
◇22日 大相撲初場所(東京・両国国技館)
圧勝の土俵上で大の里(二所ノ関)が2度、わずかにうなずいた。新入幕で勝ち越し一番乗りを決めたリアクションはそれだけ。立ち合いの圧力を生かして右をねじ込み、ぐいぐい前へ出て最後はきっちり腕を返して明生(立浪)を寄り切り。誰よりも冷静に勝ち名乗りを受けた。
「自分の良さの立ち合いをぶつけた。特別なことをやってるわけじゃない。厳しく攻めた」。勝ち越しは場所前の第一目標。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が審判として土俵下で見守る中で決めた孝行に「勝ち越しを一番近くで見てもらえた」と少しだけ表情を和らげた。
特別な日に最高の形で、とっておきのしこ名を輝かせた。22日は大正末期から昭和初期に大関として活躍し、1938年に45歳で死去した大関・大ノ里の命日。相撲の神様とも称された名大関と肩を並べ、番付の頂点を目指せる逸材のため、師匠が温めて大ノ里の親族に許可を取るほどの熱の入れようだった。
ざんばら髪の23歳に、両国国技館から約550キロ離れた青森県藤崎町から熱視線が送られている。大ノ里の故郷で、しこ名を冠した小学生の相撲大会が開かれ、現役時代の化粧まわしや明け荷などが大切に保管、展示され町の誇りとなっている。大の里が同町を訪れたことはないが、既に応援の手紙や差し入れが届いているという。生まれ育った石川、中学と高校時代を過ごした新潟に次ぎ、青森は第三の故郷。しこ名を縁にしたエールが力になる。
給金直しで期待値は、さらに上昇。八角理事長(元横綱北勝海)は「照ノ富士とがっぷりやったら、どうなるかな」と挑戦に思いをはせた。10日目は琴ノ若戦。三役初挑戦が1敗同士の首位決戦という大一番となった。「『まさか』とびっくりしている。思い切って」。無欲でぶつかる。
中日スポーツより転用
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