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100億超「コナン」がさらに飛躍か 橋本環奈らの「千と千尋」再演も 映画・舞台展望


映画興行は新型コロナウイルス禍の影響を脱し、大手、東宝の昨年の興行収入は平成12年以降で2番目という好成績が見込まれている。業界全体では洋画の大作が少なく、夏以降は勢いを失ったとされるが、それでも前年比6~7%増で落ち着く見通しだ。今年もこの活況が続くのか。話題作をチェックしよう。

27作目の勢いはどこまで

「ゴジラ」や宮崎駿監督の新作もあった昨年の東宝だが、稼ぎ頭は興収138・3億円をはじき出したシリーズアニメ「名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)」だった。そのコナンは、今年も通算27作目の「100万ドルの五稜星(みちしるべ)」(永岡智佳監督、4月12日)が公開される。前作は、初の100億円超えの期待を大きく上回ったが、この勢いが、どこまで続くか注目だ。

今年のゴジラ〝生誕70周年〟を記念して作られたのが昨年の「ゴジラ-1.0」(山崎貴監督)で、これは北米でもヒット中だが、今年は米ハリウッドから「ゴジラ×コング 新たなる帝国」(アダム・ウィンガード監督、4月26日)がやってくる。

三谷5年ぶり新作

人気劇作家、三谷幸喜の5年ぶり監督作「スオミの話をしよう」(9月13日)も話題だ。主演は、意外にも映画の三谷組への参加はこれが初めての長澤まさみ。

「ゴールデンカムイ」(久保茂昭監督、1月19日)は大人気漫画の待望の映画化で、主演はアクション大作の主人公を軒並み演じている山﨑賢人だ。山﨑は、東宝ではヒットシリーズ第4弾「キングダム 大将軍の帰還」(佐藤信介監督、7月12日)も控えるが、その前に若き日の安倍晴明を演じるワーナー・ブラザース映画の「陰陽師0」(佐藤嗣麻子監督、4月19日)もあり、まさに引っ張りだこだ。

「あぶ刑事」復活

東映は「身代わり忠臣蔵」(河合勇人監督、2月9日)が、ムロツヨシ、永山瑛太らの好演により笑って泣ける新解釈の忠臣蔵になっている。そして、8年ぶりのまさかの新作「帰ってきた あぶない刑事」(原廣利監督、5月24日)。人気ドラマだった〝あぶ刑事〟を知らない若いスタッフが、タカ&ユージをどう描くか注目だ。

松竹は、「どうする家康」(NHK総合)で千姫を演じた原菜乃華がヒロインの青春ラブコメ「恋わずらいのエリー」(三木康一郎監督、3月15日)と作家、佐藤愛子のベストセラーエッセーを自身も90歳の草笛光子の主演で映画化した「九十歳。何がめでたい」(前田哲監督、6月21日)をそろえ、幅広い層を狙う。

洋画は大作続編目立つ

洋画は、「猿の惑星」シリーズの新作「キングダム」(ウェス・ボール監督、夏)をはじめ、「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」(ギル・キーナン監督、3月29日)、「マッドマックス:フュリオサ」(ジョージ・ミラー監督、年内)、「デューン 砂の惑星PART2」(ドゥニ・ビルヌーブ監督、3月15日)と大作シリーズの新作が目立つ。

「原爆の父」である物理学者を描き、物議をかもしたが、アカデミー賞候補入りが濃厚とみられている米映画「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)も日本で公開されることが決まっている。(石井健)

コロナ禍で大打撃を受けた劇場にも、観客が戻ってきた。今年、東京で上演される注目の舞台を紹介する。

明治座で華やかな舞台

昨年創業150周年を迎えた明治座では、片岡愛之助が主演する「西遊記」(1月6~28日)や藤原紀香、剛力彩芽らが出演する「メイジ・ザ・キャッツアイ」(2月6日~3月3日)と華やかな舞台が続く。

令和4年に開幕以来、ロングラン上演中の「ハリーポッターと呪いの子」(TBS赤坂ACTシアター)は6月末まで公演が延長される。

再演される「千と千尋の神隠し」(帝国劇場、3月11~30日)は4月以降、全国ツアーが予定されているほか、英ロンドンでも上演される。

ミュージカルも注目案件続々

山崎育三郎主演の「トッツィー」(日生劇場、1月10~30日)や、ともに人気漫画が原作の「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」(帝国劇場、2月6~28日)、劇団四季の最新作「ゴースト&レディ」(JR東日本四季劇場[秋]、5月6日~11月11日)が注目。

「シカゴ」(東急シアターオーブ、4月25日~5月5日)は米ブロードウェーなどで活躍するマシュー・モリソンら来日カンパニーにより上演される。

十三回忌追善公演

十八代目中村勘三郎の十三回忌追善公演として「猿若祭(さるわかさい)二月大歌舞伎」(歌舞伎座、2月2~26日)をはじめ、3月には名古屋平成中村座、10月には鹿児島県硫黄島で三島村公演が開催されるほか、全国巡業公演も予定されている。

昨年、死去した市川猿翁が手掛けたスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」(新橋演舞場、2月4日~3月20日)が中村隼人、市川團子の交互主演で上演される。(水沼啓子)

 産経新聞より転用


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