岸田政権、トランプ陣営に接触模索…大統領選共和指名候補争いで「勝利の可能性高い」
- 政治・経済
- 2024年1月16日
■麻生氏にパイプ役期待
岸田政権は、日本時間の16日に始まる米大統領選の共和党指名候補争いで、トランプ前大統領が勝利する可能性が高いとみて、陣営との関係構築を重視している。トランプ氏と、民主党のバイデン大統領が争った場合、勝敗の行方は不透明で、日本政府内では、同盟軽視の「トランプ流」復活に警戒感が強い。 林官房長官は15日の記者会見で米大統領選について、「我が国としても関心をもって注視している」と述べた上で、「日米同盟の重要性は、党派を超えて共通の認識が存在している」と指摘した。 岸田首相はトランプ氏とのパイプ役として、自民党の麻生副総裁に期待を寄せている。バイデン政権との関係上、日本政府関係者がトランプ氏側と公式に接触するのは難しいが、「党幹部の麻生氏であれば、角が立ちにくい」(外務省幹部)との考えからだ。
首相は15日、9~13日に訪米した麻生氏と首相官邸で面会した。米大統領選を巡る意見も交わしたとみられる。
麻生氏は現地でトランプ氏との面会を水面下で調整し、トランプ氏の拠点があるニューヨークまで足を運んだ。共和党指名候補争いの日程の関係で面会は実現しなかったが、麻生氏はワシントンでトランプ氏に近い関係者と会い、面会を模索することを確認した。
麻生氏は「わざわざニューヨークまで会いに来たという事実が、トランプ氏本人に伝わることが重要だ」と周囲に語っている。岸田政権がトランプ陣営を重視しているとのメッセージになるとの考えからだ。
トランプ氏側も、安倍元首相に近い重鎮として麻生氏を記憶しているとされる。麻生氏は安倍氏の盟友で、安倍内閣時代にはトランプ氏との首脳会談に同席したり、一緒にゴルフを楽しんだりした。
安倍氏は2016年11月、当時、大統領就任を決めたトランプ氏と外国首脳として初めて会談し、蜜月関係を築いた。米大統領選の情勢が混沌(こんとん)とする中、岸田首相は早期に米国を公式訪問し、バイデン氏との信頼関係を一層深めるとともに、トランプ氏側への接触も急ぎたい考えだ。
読売新聞より転用
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