“戦うシングルマザー”ボクシング2階級制覇 代役タイトル戦で勝利
- スポーツ
- 2024年1月12日
鹿児島市出身のプロボクサー、吉田実代(みよ)選手(35)が2023年12月、米国のサンフランシスコであった国際ボクシング連盟(IBF)女子バンタム級のタイトルマッチで勝利した。“戦うシングルマザー”として知られる吉田選手はスーパーフライ級に続いて世界王座の2階級制覇。挑戦のオファーが2週間前という強行日程だったが「少ないチャンス。やるしかない」と臨んだ結果だった。
吉田選手は20歳で総合格闘技を始め、14年にプロボクサーとしてデビュー。19年6月に世界ボクシング機構(WBO)のスーパーフライ級世界王者となった。防衛、陥落、王座奪還、再陥落と激動のボクサー人生をおくる中で出産と離婚も経験。22年12月に渡米してニューヨークに拠点を移し、1階級重いバンタム級に転向した。現在は現地で格闘技インストラクターとして個別指導にも当たりながら、プロとして試合に臨んでいる。
2階級制覇を成し遂げた試合は12月9日。本来の挑戦者がけがで辞退したことから、代役として声が掛かったという。11月7日に試合をしたばかりだったが、出場へ迷いはなかった。
試合はオーストラリアの王者が優位との予想。しかし、吉田選手は得意の右アッパーでダメージを与えるなど的確にパンチを当て続け、十回判定勝ちを果たした。リング上では長女実衣菜(みいな)さん(8)と抱き合って喜んだ。
1月9日には、古里に戻って鹿児島県の塩田康一知事と鹿児島市の下鶴隆央市長を表敬訪問。チャンピオンベルトを披露した。
このうち、鹿児島市役所では、「少し疲れを癒やして」とねぎらう下鶴市長に対し「(11月の)おはら祭りにチャンピオンベルト姿で参加したい」と笑顔で応じていた。
初防衛戦は、春ごろになりそう。
毎日新聞より転用
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