豊洲市場で初セリ、本マグロ1億1424万円 4年ぶり1億円超え
- 政治・経済
- 2024年1月5日

新春恒例のマグロの初セリが5日、東京都江東区の豊洲市場であった。注目の本マグロは、238キロの青森・大間産が1億1424万円(1キロあたり48万円)の最高値で競り落とされた。同市場を管理する都によると、記録が残る1999年以降では4番目の高値で、1億円超えは2020年以来となった。
セリ開始前に、市場関係者が能登半島地震の犠牲者らに黙禱(もくとう)。卸売業者を代表してあいさつした中央魚類の今村忠如社長は「昨年は、水産物の相場が思ったより進まなかった。福島第一原発の処理水を巡る中国の輸入禁止措置も水産業界に大きなダメージを与えた。本年は精いっぱいの努力を成果につなげていきたい」と話した。
午前5時10分にセリの開始を知らせるベルの音が響くと、威勢の良い呼びかけに買い手がやり手を指し、次々と本マグロが競り落とされた。
初セリの本マグロの最高値は、19年の大間産278キロに付いた3億3360万円が過去最高で、昨年は青森・大間産212キロの3604万円だった。今年は高級すし店「銀座おのでら」の依頼を受けた仲卸「やま幸(ゆき)」が競り落とした。
「一番マグロ」を4年連続で競り落としたやま幸の山口幸隆社長(61)は、コロナ禍の影響で昨年までは安値の取引が続いていたとして「今年はインバウンド(の回復)でマグロの注目度も高まった。高値が出れば漁師のモチベーションも上がる」と語った。
また、能登半島地震など深刻な出来事が年初に続いたため、「銀座おのでら」と高値での競り落としを自粛するべきかどうか事前に相談していたことも明かした。「三が日、暗いニュースがあり、複雑な思いだった。しかし、(マグロを)待っている、楽しみにしているお客様もいる。明るいニュースになれば」と話した。
朝日新聞デジタルより転用
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