ジュリアス・ベア、経営難のオーストリア社に6億フラン融資債権か
- 国際
- 2023年11月28日
[チューリヒ/フランクフルト 27日 ロイター] – スイスのプライベートバンク大手ジュリアス・ベアは27日、欧州のあるコングロマリットに対し名目で6億0600万スイスフラン(6億8436万ドル)の融資債権を持つと発表した。
ジュリアス・ベアはこのコングロマリットの名前を明らかにしなったが、関係筋は、経営難に陥っているオーストリアの不動産グループ、シグナだとロイターに語った。
シグナは、ニューヨーク・マンハッタンの超高層ビル、クライスラービルを所有する不動産大手だが、金利上昇を受けた市況低迷で経営が悪化。24日にグループ会社の一つが独ベルリンで破産を申請したとされる。今週さらに子会社が破産申請するとの情報も出ている。
ジュリアス・ベアは6億0600万フランは異なるグループ会社に対し行った3件の融資だと説明。「この顧客グループに対するエクスポージャーは、商業用不動産と高級小売業に関連する複数の担保の裏付けがあり、現在、より長期的なリストラクチャリングの対象となっている」とした。
この融資債権は、同社の非公開企業向け融資債権(10月末時点で15億フラン)の中で最大という。
先週、関係筋は、ジュリアス・ベアがシグナに対するエクスポージャーを持ち、一部融資の減損処理をする見込みだとロイターに語っていた。
ジュリアス・ベアのフィリップ・リッケンバッハー最高経営責任者(CEO)は27日発表した声明で「一つのエクスポージャーのために、最近当行のステークホルダーに不確実性をもたらしたことを遺憾に思う」と述べた。
Thomson Reutersより転用
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